数学は相対論を語る、リリアン・R・リーバー著、水谷淳訳、1,995円(税込)、単行本、360ページ、ソフトバンククリエイティブ、2012年1月 数学には様々な効用があるが、その大きなはたらきのひとつは、「諦めることを教える」ことである。 高校時代を思いだしてほしい。sin、cos、tan の記号に拒否感を示し、やがて文系へ移っていった同級生がいなかっただろうか。また、微分、積分でつまずき、大学の受験科目から数学を外そうとする友がいたのではないだろうか。 大学に入ってからも、線形代数や高度な微積分で付いていけなくなったり、複素数や留数の定理で諦めた人も多いはず。もしかすると、それは、読者自身かもしれない。 そうなのだ。数学科の大学院に進学でもしないかぎり、数学は、どこかで「分かる」ことを諦めなければならない登山道のようなものなのだ。 Tech-On! は技術者を応援するサイトなので、大学のワ