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ブックマーク / booklog.kinokuniya.co.jp (7)

  • 『切りとれ、あの祈る手を――<本>と<革命>をめぐる五つの夜話』佐々木中(河出書房新社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 「情報と文学の関係」 著者の佐々木中氏は『夜戦と永遠 フーコー・ラカン・ルジャンドル』(2008年)という大部の思想書で、注目を集めた。書でも特にルジャンドルが重要な導きの糸となっているものの、主題はあくまで「文学」に据えられている。 では、佐々木氏の文学観はどのあたりにあるのか。彼の語りは一種憑依型で、独特のリズムがあるが、言わんとすることは比較的単純である。すなわち、無味乾燥な「情報」の摂取にまで切り詰められた読書行為を、徹底して身体的で崇高なものとして捉え返すこと、これである。佐々木氏にとって、それはほとんど、読めないテクスト(聖典)を読み、しかも書き換えるという逆説的行為に近い。ゆえに、文盲であったムハンマド、読むことを「祈りであり瞑想であり試練である」といったルターが高く評価される。あるいは、ダンスや音楽を通じた「革命」が志される。 逆に、書では、「情報

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    antipop 2010/12/04
  • 『CORE MEMORY-ヴィンテージコンピュータの美』マーク・リチャーズ[写真] ジョン・アルダーマン[文] 鴨澤眞夫[訳] (オライリー・ジャパン/オーム社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

    →紀伊國屋書店で購入 コンピュータにも「神代の歴史」があった その由来からして、年代もののワイン、せいぜいでジーンズ、あるいは20世紀初めのクラシック・カーくらいが使用範囲かと思っていた「ヴィンテージ」という言葉が、コンピュータについても使われるのかと一瞬とまどったが、考えてみれば、1930年代、40年代の車をそう呼んでよいなら、同じ頃つくられた計算マシンをヴィンテージと称すのに何の無理もないわけだ。 というので、今のところ類書のないこの一冊。1941年製のドイツZ3カルキュレーターから始まって1999年のGoogle最初の運用サーバまで、全32機種のコンピュータと、集積回路に取って代わられるまでの磁気コアメモリを、実にアングルの良い、痒いところに手の届くような細密かつ妙に生物写真のようにぴかぴか、ぬるぬるした「生気論的」フルカラー写真で、飽かず眺めさせてくれる。コンピュータ史概説書はいく

    『CORE MEMORY-ヴィンテージコンピュータの美』マーク・リチャーズ[写真] ジョン・アルダーマン[文] 鴨澤眞夫[訳] (オライリー・ジャパン/オーム社) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
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    antipop 2008/04/04
  • 高山宏の読んで生き、書いて死ぬ : 『アルス・コンビナトリア―象徴主義と記号論理学』 ジョン・ノイバウアー[著] 原研二[訳] (ありな書房)

    →紀伊國屋書店で購入 『アムバルワリア』を読んだら次にすること チェスで人がコンピュータに勝てないと判ってからどれくらい経つか。感情や情念といった言葉を持ち出して、人にしか書けない詩があるという人々はなお多く、現に「詩」は相変わらずいっぱい書かれている。しかし、チェスの棋譜を構成していくのと同じ原理が詩をつくるとすれば、人は詩作でもコンピュータに勝てないことが早晩判るはずだ。そう考える詩学がある。チェスと詩学が全く違わないことを、作家ボルヘスは『伝奇集』中の有名な「『ドン・キホーテ』の作者、ピエール・メナール」に宣言した。 ニーチェが「感情の冗舌に抗して」成り立つとした文学観が存在するが、この言い分をキャッチフレーズに掲げたロマニスト、グスタフ・ルネ・ホッケの我らがバイブルたるべき『文学におけるマニエリスム』によれば、「マニエリスム」という文学観がそれで、読むほどに、ヨーロッパで成立した詩

    高山宏の読んで生き、書いて死ぬ : 『アルス・コンビナトリア―象徴主義と記号論理学』 ジョン・ノイバウアー[著] 原研二[訳] (ありな書房)
  • 高山宏の読んで生き、書いて死ぬ:『ウェブスター辞書と明治の知識人』早川勇(春風社)

    →紀伊國屋書店で購入 明治行く箱舟、平成の腐海にこそ浮けよかし 書は、アメリカン・ルネサンスを代表する作家ハーマン・メルヴィルの『白鯨』冒頭を一種の引用辞典にして、それによって「クジラ」を定義するなど、辞書と辞書メタファーに敏感なところを示している。メルヴィルが日常使っていた字引の代表格がノア・ウェブスター編纂のウェブスター大辞典であることに間違いなく、まるで大きな箱のような形態と編集者当人の名に引っ掛けて、この大辞典を「ノアの箱舟」と譬え、それが捕鯨船ピークォド号と二重映しになってなかなか笑えるウィットを思いついたりしている。 ノア・ウェブスター(1758-1843)は生没年を見るまでもなく、アメリカがイギリスから独立する長い戦争の顛末とそっくり重なる時代の国民的スターの一人である。印紙税、ボストン茶会事件から南北戦争前夜に向けての非常に政治的な季節に、イギリスとの袂別を英語ならぬ「米

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  • 高山宏の読んで生き、書いて死ぬ�:�哲学の歴史〈4〉「ルネサンス 15-16世紀」伊藤博明(中央公論新社)

    →紀伊國屋書店で購入 哲学されなかったもののなかった三世紀をねじふせる 不況の時には哲学がブームになるとは昔からよく言われてきたことだが、若い人に哲学を教える名手だった池田晶子氏の茫然自失させる急逝が契機になり、松岡正剛氏が今時の「17才」には一寸無理という17才向きの哲学の編集工学書が呆れるほどのロングセラーになったり、広義の哲学ブームがあるようだ。先日の朝日新聞でも何故このブームとして哲学関連書や企画の好調ぶりを伝えており、その筆頭に中央公論新社創業120周年記念出版「哲学の歴史」全12巻プラス年表・索引別巻という大企画のスタートの上首尾が寿(ことほ)がれていた。ぼくもある巻にささやかなエッセーを寄稿している御縁で早々と何冊か通読したのだが、第4巻「ルネサンス 15-16世紀」を取り上げてみる。 理由がある。この書評シリーズで既に褒めてきた博学博言の伊藤博明氏責任編集とある。書肆ありな

    高山宏の読んで生き、書いて死ぬ�:�哲学の歴史〈4〉「ルネサンス 15-16世紀」伊藤博明(中央公論新社)
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    antipop 2007/09/14
  • 書評空間:高山宏の読んで生き、書いて死ぬ

    高山宏 (たかやま・ひろし) 1947(昭22)年生まれ。1974年東京大学大学院人文科学研究科修士。批評家。翻訳家。 2008年4月より明治大学国際日学部教授。長年、無目的・快楽的に蓄積してきた知識の整理と、発信型カリキュラムへの編成・伝習という、なにやら明治啓蒙家的な意欲が湧くのも、「明治」へ行ったせい? 5月24日(土)新学部開設記念講演会で喋る。来れよ。 また、4~8月の第2土曜日・15時~16時半・稲城市地域振興プラザ会議室にて、「江戸の美術を新しく観る!」開講中。照会・申込はいなぎICカレッジまで。 やっと十年待望のまとまった暇がとれたところで、執筆・翻訳に戻る。乞う御期待。 2008年6月に『新装版・アリス狩り』『アリスに驚け』(青土社)刊行予定。翻訳はS.シャーマ『レンブラントの目』(河出書房新社)、B・M・スタフォード『実体への旅』『象徴と神話』(産業図書)などを予定。

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    antipop 2007/06/19
    高山先生のブログ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
  • 『サイード自身が語るサイード』エドワード・サイード、 タリク・アリ(紀伊國屋書店) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG

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