不正の証拠はなかったとする調査委員会の報告を受け、記者会見する将棋の三浦弘行九段=2016年12月27日午後、東京都新宿区 先日、「三浦棋士は『灰色無罪』なのか」で、将棋・三浦弘行九段の「冤罪(えんざい)」」について述べたが、引き続き書きたい。 第三者調査委員会は三浦九段に対する出場停止処分を「やむを得なかった」と結論付けた。前回記事で述べた通り、第三者委は実質的には三浦九段を「潔白」「冤罪」であると判断している。常識的には「潔白な者への処分は不当」という流れになるはずだが、そうなっていない。そのために、なかなかにアクロバティックな論理を展開しているのだが、法律家集団の報告書であるから、法的に堅固なよろいをまとっているかのごとく装う。 その論理を検証する前提として、また将棋連盟の決めた救済策について考えるためにも、この騒動によって損なわれた部分に、目を向けたい。とりわけ、三浦九段は何を失っ
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