遠藤がレギュラー奪取に奮闘していた昨冬、旧知のテレビディレクターが偶然リバプールを訪ねていた。観戦のつもりが、予期せぬ密着取材が始まって――移籍後の初タイトルがかかるカラバオカップ決勝(日本時間2月25日24時)を前に、日本代表キャプテンがこぼした本音と素顔を、全3回にわたってお届けする。
![「俺んち、泊まれば?」遠藤航に密着TVディレクターは見た…リバプールで愛されるまでの“壮絶な1カ月”「ファウルしないとかあり得ない」(小野晋太郎)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/be9f68faedf50169f765d9da56e5f8fc55137e73/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2Ff%2Fd%2F-%2Fimg_fd3c9e5e1216b9c2e912bc42d69ab1da470880.jpg)
今年の春あたりから地方大会などで増え始めた、大流行中の応援「盛り上がりが足りない」。「も! 盛り! 盛りあ! 盛り上がりが足りない!」とコールする応援で、西東京大会で初めて聞いた時は、最初何と言っているのかわからなかった。「変わったコールだな」「誰に向かって言っているんだろう」くらいに思っていたが、瞬く間にスタンドを席巻。開催中の甲子園で、全49校の応援を取材したところ、実に32校もの学校が取り入れており、毎日どこかの応援席からこのコールが響いている。 採用・不採用の「理由」 SNSやYouTubeでさまざまな応援が簡単にコピー出来る時代だけに、正確な起源ははっきりしないが、茨城の明秀日立高校サッカー部の応援がTikTokで拡散され、全国に広まったのは間違いない。アルプススタンドで取材した野球部に「この応援を何で知ったのか」と聞くと、100%TikTok。「明秀日立サッカー部のを見た」とい
野球 高校野球 「練習1日50分、月曜日は完休、部員は全員元投手」…で甲子園って行ける? 人気漫画家が取材で感じた「高校野球、練習“量”と“質”どっちが大事か」問題
昨季、26年ぶりの日本一を達成したオリックス・バファローズ。その躍進を陰で支えてきたのが、13年間チームに在籍したブルペン捕手・瓜野純嗣(うりの・すみつぐ/38歳)だった。 今季から活躍の場所をソフトバンクに移した男は、なぜ信頼を勝ち取ることができたのか。なぜブルペン捕手という道を選んだのか。NumberWebでは、その軌跡に迫るべくインタビューを行った。全2回の1回目(#1から読む) そんな熱い男も、野球から離れたことがあった。 高校時代は部員が100人を超える強豪校で主将を務めたが、体罰も辞さない厳しい指導に疲弊し、野球の楽しさを忘れてしまった。大学でも野球部に所属したものの熱が入らず、退部し、大学も中退。車の整備の仕事に就き、約3年間、野球とは一切関わらなかった。 ベテラン投手の指摘「テンポ悪すぎ」 だがある日、福岡のテレビ番組の企画で、萩本欽一さんが率いる茨城ゴールデンゴールズと試
相撲、どこに行ったら見られるの? 屋根のある球場だけでなく、選手たちのほとんどは日本に来ること自体が初めて。だからこそ目にするものすべてが新鮮だった。ジーマはうれしそうにこう続けた。 「日本の文化も食べ物も気に入ったよ。スシに、ラーメン。何ていう名前だっけな、あのラーメンは……。とにかく辛くておいしかった。日本の文化や伝統もいいね。お寺とか、細かいディテールにこだわるところとか」 ディテールとは? 「例えばレストランで、箸の置き方とかもてなしの仕方とか。何でもきちんとした決まり、約束事がある。(土俵に上がってから儀式がある)相撲もそうだよね。実はすごく相撲を見に行きたいと思っているんだ。どこに行ったら見られるの? 連れていってほしい」 そう言って人懐っこそうな笑みを浮かべた。 チームの大黒柱は「本業・消防士」 チェコ代表は、昨秋にドイツで行われた予選A組(ヨーロッパ・アフリカのチームが出場
相撲、どこに行ったら見られるの? 屋根のある球場だけでなく、選手たちのほとんどは日本に来ること自体が初めて。だからこそ目にするものすべてが新鮮だった。ジーマはうれしそうにこう続けた。 「日本の文化も食べ物も気に入ったよ。スシに、ラーメン。何ていう名前だっけな、あのラーメンは……。とにかく辛くておいしかった。日本の文化や伝統もいいね。お寺とか、細かいディテールにこだわるところとか」 ディテールとは? 「例えばレストランで、箸の置き方とかもてなしの仕方とか。何でもきちんとした決まり、約束事がある。(土俵に上がってから儀式がある)相撲もそうだよね。実はすごく相撲を見に行きたいと思っているんだ。どこに行ったら見られるの? 連れていってほしい」 そう言って人懐っこそうな笑みを浮かべた。 チームの大黒柱は「本業・消防士」 チェコ代表は、昨秋にドイツで行われた予選A組(ヨーロッパ・アフリカのチームが出場
Jリーグ通算227試合出場を果たした“ミカ”ことミハエル・ミキッチ氏。スロベニアのマリボルでアシスタントコーチを務める同氏は、現在も熱心にJリーグをチェックし、日本で監督業をスタートすることを夢見ている。そんなクロアチア随一の“日本通”が絶賛する選手とは? インタビュー後編では、現日本代表の獲得をディナモ・ザグレブに推薦したエピソードや、カタールW杯のラウンド16で母国クロアチアと対戦する可能性について語ってもらった。(全2回の2回目/前編へ) 「サガン鳥栖時代の鎌田大地もディナモに推薦したよ」 ――第3戦のスペイン戦で日本はどう戦うべきですか? うむ……。スペインは非常に難しい相手だね(苦笑)。ドイツ対スペインの試合を見たけど、彼らはとてもうまくボールを保持し、とても見事なコンビネーションを繰り出して、とても簡単にボールを前へと運ぶ。何かしらの弱点を見つけるのは不可能だ。私自身、弱点を見
2021年5月、SKシュトゥルム・グラーツ対レッドブル・ザルツブルクの試合会場を訪れたオシム。体調は良かったり悪かったりだが、眼光の鋭さは健在だ イビチャ・オシムに電話をしたのは日本がシドニーでオーストラリアを破り、1998年以来7回連続のワールドカップ本大会出場を決めた数時間後だった。試合がオーストリアでも生中継されるのを筆者が知ったのは、当日(ヨーロッパ時間で3月24日午前)になってからだった。そのためオシムに伝えることができず、彼は日本が会心の戦いでオーストラリアを下した試合を見てはいない。それでもオシムは日本の突破を心から喜び、同時にロシアの侵攻が止まないウクライナの状況を憂えるのだった。 ■■■ ――元気ですか? 「ああ、元気だが君はどうだ?」 ――私もまあまあです。 「あなた方は勝ち点3を得たのだな」 ――ええ、とても満足しています。 「予選を突破できたのだから。ジャーナリスト
稀代の名将がこの世から去ったという一報を受けて、SNS上では数多くのサッカーファンから悼む声が。さらには阿部、巻誠一郎、水野晃樹らといった“教え子”たちも、オシム監督への感謝の言葉をつづっています。 3月にNumberWebで実施したアンケート『サッカー日本代表の30年、あなたが選ぶ「最高の名将」は誰ですか?』で、オシムさんは500を超える全体の得票数のうち、約35%を占める断然の1位に輝きました。 なぜオシムさんはこれほどまで、日本人から愛されたのか。 アンケート結果発表の際にご紹介しきれなかった「ファンからオシムへの感謝」を掲載します。 1)日本サッカーの進化を促す育成・戦術アプローチ オシム監督のサッカー哲学で代名詞となったのは「考えながら走る」。スキルと走力、連動性を融合したスタイルによって、ジェフは当時国内最強と言われたジュビロ磐田相手に完勝を飾るなど、一気に躍進。2度のナビスコ
Jリーグ公式noteにて「スポーツ現場におけるハラスメントとの決別宣言」という記事がアップされたのは1月18日20時3分のことであった。執筆者はJリーグの佐伯夕利子常勤理事である。 9000字を超える長文だったが、何度もうなずきながら一気に読んでしまった。このタイミングで書かれたのは、昨年末に相次いだパワーハラスメントの懲罰決定(12月24日に東京ヴェルディ、30日にサガン鳥栖)を受けてのものである。 この記事に、私は2つの点で興味を抱いた。まずnoteという、一般にもなじみ深いプラットフォームが用いられたこと。そして発信者が、佐伯理事だったこと。スペインでの長い指導経験を持つ彼女だからこそ、日本の指導現場でのハラスメントを「人権侵害」と断じることができた。その事実を、われわれは噛みしめるべきである。 普段は自宅のあるビジャレアルから、オンラインでのミーティングに参加し続けている佐伯理事。
「いや、お前が言うなよ」 これは、僕が海外生活において脳内で発したランキング、堂々1位のセリフです。自分の実力、過去の言動、現在置かれた立場、すべてを棚に上げて平気な顔で意見を言ってくる西洋や南米、アフリカの人たちに対しての第一感であり、「いやいやいや、お前が言うなよ」が第2位であることを考えても、その突出具合は際立っています。 「自分のことは棚に上げる」どころか、あげた棚ごと鍵をかけて窓から放り投げ、割った窓を背景に腕を組んで仁王立ちしているくらいの整合性の取り方の時もあり、僕は困惑や怒りを通り越して尊敬の眼差しを送ることになります。どの口が言うんだよ、よりも先に、反射とも取れるような速度で心の中にある意見を口から表出できることへの羨ましさを感じるのです。 それってこどもの特権じゃないの?と思いつつ、その意見が(僕にとっては)どんなにピントが外れたものでも、目を見て、素早く、堂々と言われ
2021年、日本サッカー界最大のジャイアントキリングは、天皇杯2回戦で起きた“おこしやすの奇跡”だった。関西1部リーグ所属のおこしやす京都ACが、J1の強豪サンフレッチェ広島を5対1で破ったのだ。その舞台裏には、「まともにボールを蹴ったことがない」と語るサッカー未経験の分析官がいた。(全2回の1回目/後編へ) 学生時代、部活に所属していなかった“サッカー店長”こと龍岡歩は、サッカーを見ることに多くの時間を費やした。高校卒業後は、9年間の海外放浪を経てサッカーショップに就職。並行して書いていた戦術ブログが関係者の目に留まり、サッカー素人でありながらJ3の藤枝MYFCに分析官として加入することなる。その後、おこしやす京都ACに活躍の場を移した龍岡は、先述したジャイアントキリングの当事者となった。 「試合前に『この試合勝てるよ』って言ったら、チームのみんなに笑われました(笑)。監督ですら10回に
W杯が近づくとサッカー漫画の連載が多く始まるのは業界の定説だ。だいたい1年前くらいから連載を始めれば、W杯予選での盛り上がりを追い風にして作品の注目度が高まるし、週刊連載であれば本大会までに単行本が4冊ほど溜まるので、他のサッカー関連本と一緒に書店の棚をジャックすることができるからだ。 オリンピックでも同様の効果が見込まれており、東京五輪ではボルダリングの漫画が目立っていた印象だった。残念ながら1年延期となったことで、ほとんどの漫画は五輪が始まる前に終わってしまったが……。 ある競技が世間で話題となることで、それまで日の目を見ることがなかった題材の作品が商業ベースでの出版に至ることがある。それは将棋も同じだ。私が執筆している『りゅうおうのおしごと!』という作品は漫画ではなくライトノベル(挿絵の入った小説)だが事情は似たようなもので、拙作より前に正面から将棋を題材にしたラノベなどほぼ存在しな
昨年、藤井聡太七段(当時)に史上最年少でのタイトル獲得を許した渡辺明棋聖(棋王、王将と合わせて三冠=当時)。今年、厳しいトーナメントを勝ち抜き、藤井棋聖(王位と合わせて二冠)の前に挑戦者として戻ってきた。6月6日からその戦いが始まるが、果たして、若き天才に初めての“失冠”を味わわせるのか、それとも再び敗れ去るのか──。 棋聖を失った直後に応じたインタビュー記事を特別に公開する。[初出:Sports Graphic Number 1010号(2020年9月3日発売)<新名人の決意>渡辺明「敗北の夜を越えて」(肩書等すべて当時)] 歴史的決戦の直前に、負けた時のことを考える勝負師がいるのだろうか――。 史上最年少の17歳10カ月20日でタイトル戦初挑戦を決めた藤井聡太と対峙したのは、渡辺明三冠だった。社会現象を巻き起こした若き天才を現役最強とも称される棋士が迎え撃つ。第91期棋聖戦五番勝負には
イビチャ・オシムとは定期的に連絡を取り続けている。ここに掲載するのは、11月1日の電話による直近の会話である。 この日は、オシムが日本代表メンバーとしても信頼を置いていた中村憲剛選手が引退を発表した日。オシムが語った“プロサッカー選手・中村憲剛”とは――?(#2に続く/全2回) ◆◆◆ 中村憲剛の引退は「サッカーにとって大きな損失だ」 ――元気ですか? オシム ああ、元気だ。いったい何があったのか? ――中村憲剛が今季限りの引退を発表しました。 オシム 憲剛はまだプレーしていたのか。引退するなら彼のために何か別のスポーツを探してやるべきだ(笑)。日本サッカーにとって大きな損失だ。彼自身にとってもサッカーにとっても残念なことだ。彼はピッチの上で常に的確なプレーを実践し、オーラを発揮し続けた。本当に優れた選手でスターとしての人生を歩んだ。そうした選手が表舞台から去るのはとても残念だ。だが、人生
近年の甲子園は、膨大な練習と膨大な食事を吸収できた"ガタイ”がいい選手が多い。しかし、もっと無理なく成長することができるとしたら……。 新型コロナウイルスはなかなか収束を見せないが、スポーツ界は徐々に活動が再開され始めた。プロ野球・Jリーグの2大プロスポーツが先駆けとなり、アマチュアスポーツも少しずつ活気を取り戻しつつある。 野球界も「withコロナ」の生活様式を進めている。プロ野球の取材をしていても、変化を如実に感じる場面がある。 プロ野球のパ・リーグを2連覇している西武は、ホームでの同一カード6連戦の最後の日、試合前のシートノックを行わなかった。またパ・リーグの首位・楽天は、中軸を担う3選手、浅村栄斗、ブラッシュ、ロメロの負担を休養日やDH起用で軽減しながら、チームをうまく循環させている。 そして彼らは、試合でハイパフォーマンスを発揮している。チームが好調なのもうなずける。 この流れは
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