The Wine Lover's Daughter オーガズムに達したふりをする女性のように、自分はワインに満足していると装ってきた。 エッセイストのアン・ファディマンはそう語る。本書"The Wine Lover's Daughter"(ワイン愛好家の娘)は、彼女の父との思い出の記録である。そして同時に、偏見やコンプレックスから科学で自由になる本でもある。食という文化にまつわるヒエラルキー、つまり「この味がわかる人はわからない人より格上」といった階級意識からの解放である。 目次 一流の人間は一流のワインを好む? 味覚過敏 まとめ 一流の人間は一流のワインを好む? 彼女の父のクリフトン・ファディマンは1904年生まれ。知識人であると同時にいわゆる文化人であり、ニューヨーカー誌の書評家として活動しながらラジオのパーソナリティなども務めた。 大恐慌時代の1930年代からワインのコレクションを始