前回の内容を要約すると、次のとおりになります。「財政再建のように国民の犠牲(税負担)を伴う課題を解決するためには、『愛国心」が不可欠である。その『愛国心」を育むためには、国家と国民に対して愛着を持ちうるような『国家の物語』が不可欠である」 図式化すれば、以下のようになります。 「自己犠牲を伴う改革のためには→愛国心」 「愛国心のためには→国家の物語」 今回の連載では、生命の自己犠牲をともなう、防衛の観点から、愛国心について考えてみます。 石原都知事の行動はなぜ問題だったのか? 昨年の9月から、私は、第二次野田内閣の首相補佐官を務めました。担当は、尖閣諸島です。当時、都知事であった石原慎太郎氏が、急に尖閣諸島を購入すると発言。のみならず、島の上に施設などを建てると主張しました。私は、この政策が、理屈として正しいかどうかを問題にしていません。 確かに、日本の領土である尖閣諸島に何を造ろうと、わ