民主党政権の失敗は何だったのか。いろいろな要素が複合的に絡んではいるが、その一つが対米関係だ。政権交代の時に肩に力が入りすぎて、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)移設問題に首相官邸があそこまで突っ込んでいったことは誤算だった。 本当は内政改革でやらなければいけないことがたくさんあり、内政改革が鳩山内閣の大きなミッションだった。予算の作り方をどう改め、統治機構改革をどう進めるのか。霞が関による中央集権によって変えるのではないあり方を実施に移そうと思っていた。 官房副長官として、私は早くから「外交でビジョンを示すことは大事だが、実際の利害調整を伴うものは急にはできない」と言ってきた。 沖縄県と米国の双方が納得できる着地点を探るには日米合意の日付を2010(平成22)年5月という形で切って追い込む話ではないとずっと思っていた。 ロングスパンで考えるか、やるならもっと現実的な対応しかないと