「古代ローマ人の選挙でも、選挙参謀がいたそうです。候補者に『できるだけたくさんの人と握手をしろ』『できないというな、いつかできますからといえ』といっていた。古今東西、変わらないんですね」 そう話すのは選挙プランナーの田村亮氏(35)。選挙プランナーとは聞き慣れない職種名だが、選挙に勝つための戦略を授ける“当選請負人”として、選挙になくてはならない存在になりつつある。今回、本誌「週刊ポスト」は、次世代を担う選挙プランナーと期待される田村氏の仕事に密着した。 田村氏がこの仕事を専業としたのは6年ほど前から。公務員と看板業の経験があり、法律とデザインに通じることを強みにこの世界に入った。選挙ポスターや看板などの制作を含め、すでに依頼件数は3000件を突破。現在は、地方の議員選や首長選を主に、新人候補からの依頼を受けることが多い。その理由をこう語る。 「政治が硬直化しているのは、新陳代謝が起きてい