(英エコノミスト誌 2013年12月14日号) インドのイスラム教徒には、ナレンドラ・モディ氏を恐れる理由がある。モディ氏は彼らに手を差し伸べるべきだ。 5年前でさえ、想像も及ばなかったことだが、来年5月に総選挙を控えたインドでは今、ナレンドラ・モディ氏が次期首相の最有力候補になっている。 長年グジャラート州首相を務めてきたモディ氏には常に、経済効率と強硬なヒンドゥーナショナリズムが入り混じる同氏の考えを熱心に支持する中核基盤が存在した。また、モディ氏が次々と物事を成し遂げることから、次第に多くの有権者が同氏のことを、低迷するインド経済の救世主と見なすようになっている。 だが、インドの政界には、モディ氏ほど意見を二分する人物はいない。 グジャラート州で2002年に発生したすさまじい暴力で1000人以上の死者――その大半がイスラム教徒――が出て以来、モディ氏の評判にはひどい汚点が付いて回る