作動しないスプリンクラー、鳴らない火災報知器――高級ホテルとは名ばかりの「砂上の楼閣」だった。奇跡の脱出を果たした生存者と伝説の消防士が語る真実。 ホテルニュージャパン火災 82年2月8日深夜3時すぎ、東京・赤坂にそびえる豪華ホテルで起きた大火災。オーナーは横井英樹。消防設備の不備などから瞬く間に炎が燃え広がり、23区全域の消防車、600人以上の消防士が赤坂に集結する大惨事に。翌9日には「日航逆噴射事故」が発生し、東京消防庁は対応に追われた 深夜3時24分に発生 高野 死者33人、負傷者34人を出した「ホテルニュージャパン火災」から、今年の2月8日でもう35年が経つんですね。深夜に発生した火災は、翌日の昼過ぎまで燃え続けた大惨事でした。 当時、私は麹町消防署・永田町出張所・第十一特別救助隊(通称・オレンジ)の隊長を務めていました。取り残された宿泊者の救助に携わった時の様子は、今でも鮮明に記
