徴兵制下の戦前日本では、軍隊への入営、入団、出征に合わせて幟で鼓舞しましたーリサイクルや華美にしない工夫も 太平洋戦争や日中戦争を扱ったドラマなどで、出征する兵士を見送る場面などに、「祝 出征〇〇君」などとした幟を見ることはございませんでしょうか。徴兵制と言っても、徴兵検査で合格し籤で入営を決められて兵営で2年間生活する「現役兵」が一部であることは以前ご説明したことがありますが、このため一つの村から入営するのはわずかな人数であり、地域の代表として幟を贈り、盛大に見送りをしました。また、赤紙などで出征する兵士らにも同様にしていました。 表題写真と下写真は、長野県川中島村(現・長野市)の丸田治雄さんが出征するにあたって贈られた幟で、勤め先や親せきなどから合わせて21本も贈られています。まだ物資が豊富で勢いもあった、日中戦争初期のころのものでしょうか。 書家に依頼したり、自分で書いたり、いずれも