買春禁止をめぐる議論がまたあちこちで顔を出しているけれど、このモデルが「売買春を減らすための正しい手段」かといえば、実際の現場ではまったく逆の結果が報告されている。禁止してもセックスワークそのものが消えるわけじゃないし、むしろ地下に押し込められた人たちが、より危険な条件で働かざるを得なくなる──当事者団体も研究者も、長年その問題点を繰り返し示してきた。にもかかわらず、「見えなくなる=減ったことにしたい」という政治的な都合だけが先走って、現実に生きている人の安全や尊厳が後回しにされてしまう。今回は、そうした構造的な問題と、実際に欧州で起きている声を改めて整理してみたいと思う。 EU/ヨーロッパでの当事者・人権団体からの声と証言 フランス:STRASS(セックスワーカーの組合) フランスには「Syndicat du travail sexuel(STRASS)」というセックスワーカーによる労働

