日本で今週末公開されるクリストファー・ノーラン監督の『インターステラー』は、評価の難しい作品です。私個人としては、期待が高かっただけに「意外性はもう一つ」という第一印象がありました。例えば、同監督の『インセプション』で実現されている「夢と現実の多層構造」の映像化に比べれば、本作の時間と空間の表現は、はるかに科学的な常識に沿っており、イマジネーションの大胆さということではマイルドな印象です。 また、様々な表現に過去のSF作品への「オマージュ」が散りばめられているのは、ノーラン監督としてはやや異例に思われました。スタンリー・キューブリック監督の『2001年宇宙の旅』と、ロバート・ゼメキス監督の『コンタクト』の2作品からの影響は特に強いように思います。また、相当に未来の話であるにも関わらず、1960年代の「アポロ計画」で使われた「サターン5型」に近いロケットが登場するのも、不思議な感じがしました
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