25日にデビューする低床式車両(左)(23日午前、大阪市住吉区の阪堺電気軌道我孫子道車庫で)=大久保忠司撮影 大阪市と堺市を結ぶ路面電車・阪堺電気軌道で、近畿地方初となる低床式車両(LRV、愛称・堺トラム)の営業運転が25日に始まる。利用が低迷し、廃止の動きもあった路線を市民や乗客ぐるみで再生させようと、市が費用の一部の寄付を呼びかけたところ、全国から369件計約1490万円が集まった。車内には、寄付者の名を記したプレートが掲げられている。 堺トラムは定員76人。現在の車両はドア内部に約50センチの段差があるが、新車両は床と停留場のホームがほぼ同じ高さで、乗り降りがしやすい。阪堺電軌が2009年12月、「支援なしで路線の存続は難しい」と市に申し入れたのがきっかけで、市が14年度までに3編成の導入を決定。今回は1編成を走らせる。 1編成は約2億5000万円で、国が3分の1、市が3分の2を分担