不勉強にして、〈やさしい日本語〉という考え方を知ったのはつい数年前のことだ。 日本語を母語としない人々とこの社会で共に生きるために用いる、日本語非母語話者にも理解しやすい表記や言い回しへと調整された日本語。 例えば、文節に分かち書きをしたり、ルビをふったり、抽象的で難解な語句を具体的にわかりやすく言い換えたり(以下はNHKが2012年から開始したサービス「NEWS WEB EASY」)。 最初この〈やさしい日本語〉という考え方を知ったとき、僕の脳裏に浮かんだのは、(ああ、こうしたシステムがあったら、確かにこの社会で暮らす日本語を母語としない人々は、助かるだろうなぁ…)という思いだった。そして、(今後ますますこの国には日本語非母語話者が増えていくだろうから、そのような人々のためにも、ぜひ広めていかねばならない考え方だなぁ…)と。つまり僕が思ったのは、 日本語非母語話者の"ために"、ホスト側の