原発事故以降、戸惑う保守を尻目に、従来、反原発を唱えていた左翼が元気だ。その実情について、左翼の動向に詳しいジャーナリストの野村旗守氏がレポートする。 * * * 少々大袈裟に言えば、ジャスミン革命もかくや、と思わせる光景が出現したのは春から初夏にかけてのことだった。 東京・高円寺でリサイクルショップ「素人の乱」を営む松本哉氏(36)らが「原発やめろデモ」を呼び掛けた。松本氏は既存の組織に属していないが、靖国神社反対を唱えるなど自他ともに認める左翼で、杉並区議選に出馬したこともある。その松本氏が反原発デモをネット上で呼びかけたところ、主にツイッターを媒介として人が人を呼び、1回目、4月10日の高円寺でのデモ、2回目、5月7日の渋谷でのデモには、主催者発表でそれぞれ1万5000人もの人が集まった。そして「素人の乱」や環境保護団体「グリーンピース」などが連携して呼び掛けたのが「6・11脱原発1