高校で習う静電気学の最も興味ある応用が雷の科学で、自然探究の醍醐味を教えてくれる。参考文献に記した本を参考にして説明する。 1.大気の電位と電界強度 (1)大気の電位 晴れた天気の良い日には、地表や海面から上空に移動するにつれて1m当たり100Vくらいの割合で増大する電位勾配が存在する(下左図)ことが知られている。この大気電位の存在は1700年代の後半から様々な人々(Lemonnier、Volta、Kelvin、・・・)により明らかにされ研究されてきた。我々自身は、人体が電気の良伝導体のために地表と等電位(下右図)になり、その電位差を実感する事ができない。そのためこの事実に驚かされるが、この電位勾配は晴天時には地球上のどこの大気にもほぼ普遍的に存在する。(大気電気学では普通下向き電界を正、上向き電界を負とするので以後注意) この電位勾配は簡単な実験で測定する事ができる。 一つの方法は、二つ