二つの電波源 英国ケンブリッジ大学のグループは、1950年代から電波源の探査を行ってきています。その成果は電波源のカタログとして出版され、位置や電波強度などがわかるようになっています。最初のカタログは1950年に出版され、現在まで9冊のカタログが出ています。これらのカタログはそれぞれ1C、2C、3Cというふうに呼ばれています。CはCambridge(ケンブリッジ)のことです。 初期の探査で見つかった電波源の中に、ひときわ明るい電波源があり、注目されていました。それは3C 273。3Cに登録されている273番目の電波源です。 ただ、電波源の追求観測で困ることは、位置決定精度が悪いことです。 実際、3Cにある電波源の位置決定精度は数分角もありました(1分角は1度の60分の1)。月や太陽の見かけの大きさは約30分角ですから、電波源の位置決定精度がいかに悪いかがわかるでしょう。数分角の空にはたくさ