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ブックマーク / note.com/shinshinohara (10)

  • 西洋が世界最強に躍り出たキッカケ、十字軍|shinshinohara

    もしこの事件が起きなければ、西洋が世界を牛耳ることもなかったかもしれない。世界中で侵略を重ね、各地に植民地をもち、科学技術を発展させ、今も世界をリードし続ける存在にはなれなかったかもしれない。この事件が西洋を目覚めさせ、世界最強の地域に変貌させることになった。それが十字軍。 十字軍が起きる前、西洋は世界でもとびきり技術が遅れていた地域だった。というと、不思議に思われる人もいるかもしれない。西洋は古代ギリシャ・古代ローマ帝国の時代から、世界最先端地域だったはずではないか、と。ところが中世ヨーロッパは、一時、石器時代にまで技術が後退していたといわれる(※技術を残した地域もある)。 確かに古代ローマ帝国が健在だった頃は、世界最先端地域だった。ところが4世紀にゲルマン人の大移動が起きて、帝国が崩壊すると、あれよあれよと文明も技術も失われてしまった。「連鎖倒産」が起きたからだ。 ゲルマン人達はローマ

    西洋が世界最強に躍り出たキッカケ、十字軍|shinshinohara
  • 関係性から考えるものの見方・・・社会構成主義|shinshinohara

    (ずいぶんと堅苦しい名前だけれど)社会構成主義の考え方、結構面白い。 アメリカでは中絶問題で世論が真っ二つに割れている。賛成派と反対派で議論すると、互いに相手の主張のおかしいところを攻撃し、自分の主張の正しさを訴える。話は平行線に終わり、関係性は断絶したまま。ところが。 リクツを戦わせるのをやめ、なぜ自分が中絶に反対するようになったのか、あるいは賛成するようになったのか、そのきっかけとなった個人的体験を語ってもらったところ、お互いに「ああ、そういう体験があると、そういう意見になるのは当然だよな」と理解と融和が進んだという。 この現象は興味深い。リクツというのは一見論理的で、論理的だからこそ普遍的なものだという思い込みがある。その普遍的なリクツから言えば相手の意見は非常におかしく矛盾に満ちていて、自分の理論こそ正しい、としか思えない。しかし相手は相手で同じことを考えている。ここに断絶が生じて

    関係性から考えるものの見方・・・社会構成主義|shinshinohara
    arajin
    arajin 2023/07/15
    “これまでの思想や哲学が、「存在」にばかり光を当てて「関係性」をほぼ無視してきたことに、社会構成主義は視点を逆転させて、関係性に着目する。”
  • 「賢い自分」でなくても大丈夫|shinshinohara

    「賢い自分」でなくなったらどうしよう、という恐怖に支配されてきた、という方から相談のメールを受けた。その方は恐怖で勉強してきたので、勉強が苦痛で仕方ないという。面白いと思えない、と。学ぶことの喜びを感じられない、と。学ぶ楽しみを取り戻すにはどうしたらよいか、と。 それまでに体験したことのないことをしてみるとよいかもしれない。旅はその一つ。 私は京大に入ってから3年ほどのような状態になった。一体何をしたらよいのか分からない。やる気が出ない。そんな中、一週間、四国へ旅に出た。 高知市からテクテク道を歩いて行くと、よく声をかけられた。四国はお遍路の土地で、旅の人をもてなす風習がある。おむすびや文旦を頂いたりした。見知らぬ人から親切を頂く新鮮な体験は、「あの人たちは見知らぬ私になぜこうして施しをしてくれるのだろう?」という問いを残した。 海岸べりでテントを張って寝たら雨に吹き込まれ、全身濡れ鼠に

    「賢い自分」でなくても大丈夫|shinshinohara
    arajin
    arajin 2023/03/26
    「私達はついつい、勉強といえば机に向かってする座学を勉強だと考えてしまう。けれど学びというのは、もっとはるかに射角が広い。生きる行為すべてが学びと言って良い。」
  • 世界一の農業国アメリカの農業はGDPのわずか1%強?|shinshinohara

    「日の農業はGDPの1%しかない」、だから補助金を出すなど保護を行うのはおかしい、という日政治家がいた。なるほど、だとしたら、世界最強の農業国、アメリカだったら、きっと農業はGDPの割合も大きいだろうし、農家は補助金ももらわずに独力でやっているのだろう、と想像したくなる。 で、調べてみると。アメリカの農業はGDPの1.14%。あれ?日とたいして違わんやん。農家がどのくらい補助金をもらっているかというと、所得のうち26.4%。これに対して、日は15.6%。あれ?アメリカの農家の方が政府から補助金もらってるやん。どういうこと? 実は、先進国はどこも似たり寄ったりで、農業はGDPの1%強にしかならない。小麦を海外に輸出しているフランスも、農業はGDPの1.37%を稼ぐだけ。しかもフランスの農家は、所得のうち90.2%を補助金としてもらっている。アメリカもフランスも世界有数の農業国だが、

    世界一の農業国アメリカの農業はGDPのわずか1%強?|shinshinohara
  • どう伝えれば小学校の内容から学び直す気になるか?|shinshinohara

    小学校算数をイチからやり直したほうがよい、ということを書いたら、「小学校からやり直せ、って言ったら、プライドが傷つき、結局やらないのでは?」「どう伝えればいいのだろう?」というご意見が複数。 確かに、伝え方大切。で、私はどう伝えていたかというと。 https://note.com/shinshinohara/n/n9f38fdb5d931 「小学校、中学校、高校の学習に抜け落ちがなければ旧帝大に合格できる。逆に言えば、旧帝大に入学する学力に達しないのは、どこかで抜け落ちがあるから。」 実際、かなりの点数を取る生徒でも、小学校や中学校の学習内容で欠落があることが多い(たぶん、ほとんど)。 高校で全教科80点以上をとっていても、なかなか平均90点以上に達しないのなら、小学校と中学校の内容を一度やり直したほうがよい。どこかで欠落があるか、アヤフヤなところがある。小学校の内容って侮りがたくって、こ

    どう伝えれば小学校の内容から学び直す気になるか?|shinshinohara
    arajin
    arajin 2022/02/13
    “「小学校、中学校、高校の学習に抜け落ちがなければ旧帝大に合格できる。逆に言えば、旧帝大に入学する学力に達しないのは、どこかで抜け落ちがあるから。」”
  • 「人を動かす」より「人が動く」構造づくり|shinshinohara

    私は農業研究者だからか、大人も子どもも、トマトや微生物と同じように「どうにもしようがないもの、基、言うことを聞いてくれないもの」と見なしている。 しかし面白いことに、自ら能動的に動くのなら、話が違ってくる。この点は、微生物もトマトも、そして大人も子どもも同じ。 私のもとに来る学生にいつも出すクイズ。「邪魔な木の切り株がある。これを微生物の力で取り除いてほしい」。こういうと、木材を分解する微生物を見つけだして、それを切り株にぶっかければ?という回答が来ることが多い。実際、学会発表でもそうしたものが多かったのも事実。しかし。 分解微生物を切り株にかけても、3日もすれば跡形もなく消えてしまう。土着微生物に駆逐されて。もちろん切り株はそのまま。分解微生物をぶっかける、ではうまくいかない。 しかしここで面白い方法がある。切り株の周りに肥料をまく。すると、切り株は数ヶ月もしないうちにボロボロになる。

    「人を動かす」より「人が動く」構造づくり|shinshinohara
    arajin
    arajin 2022/02/11
    “どうすれば楽しく過ごせ、何をしたら楽しみを失うのかがはっきりしている構造があれば、群集であっても自発的にルールに従い、行動する、という現象を、スーザン・ストレンジという人は「構造的権力」と呼んだ。”
  • 失敗への恐怖、呪いの解除法|shinshinohara

    もうその方法はうまくいかないことが分かっているのに、同じやり方を頑なに続ける人がいる。何十回も。そうした人は「頑張り無罪」に逃げている可能性がある。過去に失敗を責められ過ぎたために、たとえ失敗であろうと繰り返すことで「俺、頑張ってる、だから責めないで」という論理に。 私は学生やスタッフを指導する時、「失敗を楽しむ」ようにしている。あえて失敗するであろう実験をやってもらい、それで起きる意外なことを一緒に楽しむ。「うまくいかなくてすみません!」と謝る人多いけど「あ、私もうまくいくかわからなかったんで。それより何が起きたか一緒に楽しみましょう」 失敗に終わったその現象を、一緒に観察する。気づいたことを指摘してもらい、「あ、なるほど、確かにそうなっていますね」と、教えてもらったことに感謝しつつ、自分も気づいたことを言う。こうして気づきを言い合うゲームを散々した後。「じゃ、次はどこを工夫してみましょ

    失敗への恐怖、呪いの解除法|shinshinohara
    arajin
    arajin 2022/02/08
    「失敗を楽しむ」
  • 小学校算数のアヤフヤを消す|shinshinohara

    公立中学で学年最下位水準だった子どもを4人みたけれど。みな、中学の内容を終えることができ、高校の授業にもついていけるようになった。それはなぜかと言うと、小学校の内容からやり直したから。中には分数どころか九九もあやしい子がいたけれど、やり直したら習得できた。 たぶんなんだけど、それを習った当時は、それを受けとめるだけの体験が不足していたのだと思う。九九を習った時には、足し算をさんざんやって、2を二回足したら4、三回足したら6、のような蓄積がないと、九九はなかなか身につかない。 分数を習う時には、ケーキを8人で分けたり、ピザを6人で分けたり、おやつを3人で分けたり、という体験が十分蓄積していないと、何を言ってるのか分からない。分数を習った時に「体験ネットワーク」の準備が整っていなければ、分数の内容を受けとめようがない。 しかし。九九や分数を小学校で習ったときには受けとめようがなかった子も、中学

    小学校算数のアヤフヤを消す|shinshinohara
    arajin
    arajin 2022/01/30
    「小学校の内容は体感が必要で、数学理解の基礎である」
  • 全体を見渡し、欠落を見つけ、それを補おうする力|shinshinohara

    阪神大震災のとき、現役京大生が救援物資の在庫管理を担当。すべての物資の種類、数を把握し、1500名いる被災者の消費量を計算してどの物資がどのくらい不足するかを予測し、ボランティアに的確に指示を出すので「歩くコンピューター」と呼ばれ、被災者の子どもたちに人気だった。 しかし1500人もの人たちを支える救援物資の膨大さ、しかも全国から送られる救援物資は、ダンボール箱を開けてみないと入数と種類も分からない。種類ごとに分別もしなきゃいけない。あまりの過労でぶっ倒れてしまった。 新しい物資担当は、左官の若者(その京大生と同じ年)。 「とてもじゃないけどあの人のマネはできません。僕のやり方でやらせてもらっていいですか?」 人がいなくて代わりはいない。みんな、彼にお任せすることにした。その「やり方」は。 品物ごとに山を作った。服の山、毛布の山、ラーメンの山、ミネラルウォーターの山。面積が必要になるけれど

    全体を見渡し、欠落を見つけ、それを補おうする力|shinshinohara
    arajin
    arajin 2021/10/21
    「品物ごとに山を作った。服の山、毛布の山、ラーメンの山、ミネラルウォーターの山。面積が必要になるけれどざっくり山の大きさを見れば物資の在庫量が一目でわかる」「各ボランティアが自発的に動くようになった」
  • 「頭が悪い」なんて死ぬまで分からない、死んでも分からない|shinshinohara

    私は「できる子」をさらにできるようにすることにはほぼ関心がない。このため、子どものころから成績優秀だったという友人から「篠原の話、俺にはあまり当てはまらない」と言われるのだけれど、当たり前。なぜなら私の関心の外だから。私の関心は、「できない」とみなされている子への対策。 近年、勉強のできない子は、先天的にできないのだとみなす大人が少なくないのが気になる。もっと踏み込めば、気に入らない。「できるはずだ」と決めつけるのも子どもにプレッシャーを与えるので慎重にしたいが、「できないに決まっている」という決めつけは、はっきり言って大嫌い。 私が小学5,6年のころ、勉強がどうにも苦手だった。親戚の中で一番悪い成績。「僕は頭が悪いから」と言ったところ、父が言った。「頭が悪いかどうかなんて、死ぬまで分からない。死んでも分からない」その後、折に触れ、同じことを何度も私に繰り返した。 このことを、私は子どもを

    「頭が悪い」なんて死ぬまで分からない、死んでも分からない|shinshinohara
    arajin
    arajin 2021/10/12
    「その子は言葉をほとんど話せなかった。あいさつもできないほど。成績を上げるのは絶望的。」
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