この季節、頻繁に発生するゲリラ豪雨。現在の技術では予報不可能といわれるが、気象の最前線では、その発生をいち早くとらえ、雨が降るタイミングを広く伝えるための試みが行われている。ゲリラ豪雨はなぜ予報できないのか。予報できないゲリラ豪雨をどのようにとらえるのか。前編では、ユーザーから集めた情報も利用してゲリラ豪雨を予測する民間気象情報会社のウェザーニューズに、後編では、最新のセンサー技術で雨雲の発生をとらえる「高解像度降水ナウキャスト」を運営する気象庁に話を聞いた。 「やっぱり雨って嫌ですよね」――今回の取材は編集者とのこんな話から始まった。日本列島の梅雨明けとともに増えてくるのがゲリラ豪雨だ。7月から9月にかけて降る猛烈な雨。これに直撃されたらたまったものではない。傘はほとんど意味をなさないし、ひどい時には水難事故や土砂災害にまで及ぶこともある。 通常の雨なら、前日に天気予報を見て傘と心の準備