REDDY 多様性の経済学 Research on Economy, Disability and DiversitY ジェンダーとセクシュアリティの交差点から 第 1 回 シールとジェンダー 私の研究テーマは「ジェンダー/セクシュアリティの社会史」です。昨年著した『〈男性同性愛者〉の社会史』という本では、同性愛というセクシュアリティのテーマと、男性の経済的・社会的な特権というジェンダーのテーマとを交差させながら、歴史を描くことを意識しました。 私自身も男性同性愛の当事者なのですが、ジェンダー/セクシュアリティ研究に関心を持った直接のきっかけは、「同性愛者である」ことから来る自分自身の被差別体験ではありません。むしろ自分が男性として「得をしている側」であること、それまで無自覚に特権を得ていた(そして、現在も得ている)側であると気づいたことが、大きな転機でした。一度気づくと、自分が履かせても