<「人気者」河野太郎氏の思わぬ失速と岸田文雄氏の圧勝、高市早苗氏の躍進――国民政党・自民党の面目躍如となった党総裁選から見える岸田政権と日本政治の行く末> 9月29日、岸田文雄前政調会長が自民党新総裁に選出された。「1回目の投票では決着がつかず、決選投票で岸田氏が勝利する」という大方の予想に沿う結果だが、河野太郎氏の思わぬ失速が驚きを与えた。 党員・党友を対象とした事前調査で1番の人気を誇った河野氏は、1回目の投票で首位に立つと思われていた。しかし議員票を86票しか取れず、岸田氏と1票差とはいえ、まさかの2位に。決戦投票では「勝ち馬」と見なされた岸田氏が議員票249票を獲得、河野氏は地方票で31票上回ったものの、岸田氏が合計で87票の差をつけて圧勝した。 岸田氏勝利の背景として2つのポイントがあるだろう。一つは、13日間に渡る総裁選挙の期間中、「総選挙に勝てる新しい顔」を選ぶことが至上命題