1954年の第1作から数えると、「シン・ゴジラ」は日本で制作される29番目のゴジラ映画だ。ただし、前作の公開は2004年。同作のタイトル「ゴジラFINAL WARS」からもわかる通り、ゴジラシリーズは50年を区切りに制作が打ち切られていたはずだった。それではなぜ、ゴジラは再び日本にやってきたのか。『さようなら、ゴジラたち―戦後から遠く離れて』(岩波書店)の著者で、文芸評論家の加藤典洋氏に聞いた。 まずは率直な感想を教えてください。 おもしろかった。まず公開3日後くらいに見ました。その後、文芸誌に評論を書くことになったのでお盆の近くにもう1度、映画館に足を運びましたね。 どんなところに注目しましたか? 初代ゴジラに戻る、ということを最初から最後まで徹底したところです。ゴジラという作品を、ゼロからこの現代に作り直すとすればどうなるか。これを全身全霊で追求する、という姿勢が独創的だったと思います
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