「メンタルに問題のある社員に、会社指定のカウンセラーに相談するよう推薦していますが、秘密厳守といいながら、実は裏で会社の人事部に情報が流れるんですよ」 これは筆者が、ある企業の人事関係者から聞いた言葉だ。社員50名を超える会社には、社員のメンタルヘルスケアが義務づけられている。いわゆる「ストレスチェック制度」だ。しかし実態は、社員のメンタル情報の「管理」になっており、メンタルにかかわる個人情報を人事部が把握し、人事査定に利用されているケースもあるのだ。 そんな状況を抜本的に変える、日本初のまったく新しいプロジェクトが始動した。東京大学大学院でスタートした「ココロ・ストレッチ」というプロジェクトだ。 ココロ・ストレッチは、法人向けメンタルケアサービスだ。オンラインで社員が自主的にメンタルケアを行える仕組みで、社員の個人情報は強固なセキュリティで守られ、完全に会社から切り離されている。AI(人