船の右はドヌーズラフスキー湾、左が黒海。水深が浅いため、船体は海上に姿を見せている。漁船のような小型船舶以外は航行不可能になっている。=7日、ドヌーズラフスキー湾出入口 写真:筆者 船は座礁、転覆しているのではない。湾の出入り口を封鎖するため爆破されたのである。ウクライナ海軍が基地を置くドヌーズラフスキー湾。黒海に向かって油壷を逆さにしたように広がる。壺の出入り口は200メートル足らずだ。 ロシア海軍は6日、大型の老朽船(1973年就役=8,565トン、全長173メートル)を爆破してここに沈めた。水深が浅いため船は船腹をみじめにさらしている。湾内のウクライナ海軍艦船は「袋のネズミ」状態だ。海上戦術のひとつである閉塞作戦である。 ロシア海軍が大胆かつ手荒な作戦に打って出たのは理由がある。6日、クリミア州議会で「ロシアへの編入」などを問う住民投票を実施することが決まった。 事態を憂慮したウクラ