いわゆる京極堂シリーズの第八作目。長年待たされた前作がアレだったんで、今回も大丈夫なのかなあと思うっている読者も多いことだろう。 セカイ系っぽい出だしに一抹の不安を覚えながら読み始めたところ、前半のあまりの普通さに参ってしまった。 妖怪が現れるわけでもなく、不可能犯罪が起きるわけでもない。普通の事件が、かみ合わない感じで次々と展開されてゆくだけなのである。 これ大丈夫なのかなと思いつつ頑張って読み進めてゆくと、600ページ(!)くらいからようやく面白くなってきた。本作は解決編に入らないと、なにが起こっているのかよくわからないという、大変アウトラインがつかみにくい作品なのだ。 そして、こんなに人が死にまくり悲劇的な展開にもかかわらず、事件の真相には思わず爆笑してしまった。このオチは笑わずにはいられない、コメディな展開としか読めないんだけれども(とくに真犯人の正体とか)……他の意見が気になると