アニメ『金色のコルダ〜primo passo〜』の物語形式は、非常に伝統的なものだと言える。この作品は、コーエーのゲームをアニメ化したものらしいが、コーエーの女性向けゲームは、他にも、『遙かなる時空の中で』や『アンジェリーク』がアニメ化されている。これらの作品は、すべて、女性ひとりに男性多数という逆ハーレム状態の作品だと言えるが、それはともかくとして、これらの作品で共通して描かれている問いとは、端的に、「なぜ自分が選ばれたのか?」というものだろう。他の誰かであってもよかったはずなのに、なぜ自分が選ばれたのか? 自分にだけあって、他人にはないものとは、いったい何なのか? そうした問いが、ここでは問われていることだろう。「選ばれてあることの恍惚と不安と二つわれにあり」。この問題系は、現代的であると同時に、非常に伝統的なものだと思われるのである。 『金色のコルダ』のアニメを見ていて、まず疑問に思