ブックマーク / mandanatsusin.cocolog-nifty.com (7)

  • 野田さんに夢中『野田ともうします。』 - 漫棚通信ブログ版

    昨年、わが家で人気ナンバーワンだったマンガの第2巻が発売。 ●柘植文『野田ともうします。』2巻(2010年講談社、667円+税、amazon) 主人公、野田さんは群馬出身。埼玉にある「東京平成大学」文学部ロシア文学科の一年生か、二年生。手影絵部というマイナーサークルに属しファミレスでバイトする彼女は、見た目も生活も地味な大学の地味なメガネ女子。しかしその存在は特異です。 彼女の興味の対象は、ロシア文学だったり手影絵だったり太宰治の文学だったりしますが、それだけでは終わらない。 興味があるものには一直線に突進する野田さんの腰は軽く、ピロシキをべるために西武ライオンズのファンクラブに入ったり、学祭のミスコンにエントリーしたり、相撲をとったり、たこ焼きがべたくて夜中にタコを買ったり、シャンパンタワーのためにいっぱいのシャンパングラスを買ってみたりするのです。 ただし、その結果として得られるも

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  • 実験は限りなくギャグに近づく - 漫棚通信ブログ版

    こんなを見つけました。 ・マット・マドン『コミック文体練習 99 Ways to Tell a Story: Exercises in Style』(2006年国書刊行会、大久保譲訳、1900円+税) レーモン・クノー『文体練習』(1996年朝日出版社)は、あの『地下鉄のザジ』の作者が、ひとつのエピソードを99の文体で書きわけるという超絶的な実験をして有名になった。書くほうも書くほうですが、日語に訳した人もたいしたものです。けどすみません、わたし読んでません。 で、このはそれをマンガでやってみたもの。原著は2005年。アマゾンに飛びますと、中身がすこしだけ立ち読みできますのでどうぞ。 ひな形となるマンガはこういうもの。ノートパソコンで仕事をしていた男が、立ち上がってリビングへ行く。階上からガールフレンドの声がして「いま何時?」 男が答えて「1時15分だよ」 「ありがとう!」 男は冷

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  • なぜキルスティン・ダンストがスパイダーマンのヒロインなのか - 漫棚通信ブログ版

    今回はマンガの話じゃありません。 日人にとって、映画「スパイダーマン」の最大の謎は、なぜヒロイン役がキルスティン・ダンストなのかという点でありました。日人の好みから言って、美人かどうかが微妙なところ。アッチじゃああいうのが美人なのかな、金髪碧眼はやっぱ強いなー、なんて考えておったのですが、どうやらそうでもなかったらしい。 この謎にすっぱり答えてくれる名著が、長谷川町蔵/山崎まどか「ハイスクールU.S.A.-アメリカ学園映画のすべて」であります。 「学園映画」というジャンルが確立されているわけではありませんが、その傾向を持つ映画をできるだけ集めてアメリカのティーン文化を読み取ろうという試み。著者たちの対談で構成されており、めったやたらとくわしく膨大な脚注も付いていて、楽しくかつ役に立ちます。 アメリカのハイスクールといえばあれですね、ジョックスとかナーズとかギークとかゴスとか呼ばれる学内

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  • デスノート完結 - 漫棚通信ブログ版

    小畑健/大場つぐみ「デスノート」12巻で完結。いろんな情報にはあえて一所懸命耳をふさいでいましたので、単行でやっと読めました。 総合的な評価として、傑作と考えます。いや、たいしたもんだ。 きちんと終わってるじゃないですか。少年誌で悪人を主人公にするからには、主人公が破滅する以外の結末はありえない。あとは、最後に主人公が改心するかどうかですが、これは夜神月をこういう極悪キャラクターにしたからには、必然の結末でしょう。 作劇から言うと、デスノートが世界を支配する寸前までの展開を見せておいて、どんでん返しで主人公の敗北、というパターンは、限りなく理想に近い。(1)キラとエルの戦い→(2)キラの勝利、エルの死→(3)キラによる世界征服、キラとエルの後継者の戦い→(4)キラの敗北、という王道的なストーリーが、週刊連載、しかも人気で展開が変わると言われるジャンプで、よくもまあ可能だったと感心してしま

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  • 偉大なる「美味しんぼ」フォーマット - 漫棚通信ブログ版

    大河原遁「王様の仕立て屋~サルト・フィニート~」を読みながら、「美味しんぼ」の成り立ちについて考えていました。 では、その設定とはいかなるものか。 1)作品としての成り立ち 1-1)読切連作である。 1-2)あるテーマについてのウンチクが語られ、読者は知識を得ることができる。 1-3)ウンチクで事件、問題が解決される。 1-4)勝負、対決がある。 2)主人公像 2-1)主人公はあるテーマについて知識が豊富である。 2-2)主人公はあるテーマについての特殊技能を持っている。 さて、「美味しんぼ」の先行作品から考えてみます。 読切連作でウンチク、となれば、まず思い浮かぶのがさいとう・たかを「ゴルゴ13」(1968年連載開始)です。別にゴルゴがウンチクを語るわけではないのですが、世界各国を舞台にした結果、国際情勢をマンガで知ることができるようになりました。 そして、そのゴルゴから直接影響を受けた

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  • 政治的主張とマンガ(その2) - 漫棚通信ブログ版

    (前回からの続きです) 「マンガ嫌韓流」の主人公は高校生、のち大学生となる男女ふたり。大学進学後、自ら極東アジア調査会というサークルに入部し、アジアの真実に目覚めるという展開です。 主人公のオニイチャンがなかなかにスゴくて、毎度黒のトレーナーであることはともかく、大学にはいって剣道を始めたという設定なのですが(大学の剣道部じゃなくて町道場ね)、外出するとき、いつも竹刀を背負っている。 異次元の日が舞台じゃないかと疑わせるファッションセンスですが、そのままの格好で選挙会場とかファミレスにも行ってます。フツー追い出されないか。店員が遠くでこそこそささやいているのが目にうかびます。ガールフレンド注意してやれよ。 第2話と第8話では、公開ディベートが舞台です。相手は、第2話では元・同級生の在日韓国人(♂)とプロ市民。第8話では韓国のトップエリート大学生6人です。 「ゴーマニズム宣言」では、ディベ

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  • 政治的主張とマンガ(その1) - 漫棚通信ブログ版

    マンガの多くがフィクションを描き、めざすところは娯楽だったり感動だったりするわけですが、これ以外の目的で描かれたマンガも当然存在します。学習マンガのように知識を与えるのが目的だったり、政治的・社会的啓蒙のためであったり、商品の広告であったり、電化製品の使い方を教えるためだったり、布教のためだったり。 この手のマンガを集めた、北原尚彦「屋にはないマンガ」が発売されてます。こちらについては、またいずれ。 屋にあるマンガで、娯楽と感動以外を目的とするのに、経済的にも社会的影響においても成功した代表例は、小林よしのり「ゴーマニズム宣言」でしょう。 一時のイキオイはなくなったとはいえ、やはり政治的主張をするマンガとしては、お手のような存在ではあります。小林よしのり「ゴーマニズム宣言」の先行作品に対する新しさは、以下の点です。 (1)作中キャラクターとして作者が登場する。 (2)政治的主張を

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