誇りを失った豚は、喰われるしかない。イエスはこれを聞いて言われた。 「医者を必要とするのは、丈夫な人ではなく病人である。わたしが来たのは、正しい人を招くためではなく、罪人を招くためである。」 (マルコによる福音書2章17節) ジャレド・ダイアモンド教授の描く文明論の 下巻です。 個々では現代社会に主軸をおき、危険に対する 警戒心、人間社会と宗教の関係性と重要度の 変化、消えつつある言語の多様性など、 我々を取り巻く諸問題を論じます。 本書はジャレド・ダイアモンド教授の 『昨日までの世界』の下巻であります。 僕はジャレド教授の本を読んだのが本書が 最初であり、近代生物学、人類学、考古学は 言うに及ばず、遺伝子学、分子生理学、分子生物学、 生物地理学、言語学と言った異なるジャンルの 学問を統合させ、それを持って壮大なテーマと 世界の謎を解明するスタイルには、とても感銘を 受けたのでありました。