1.ノルディック・モデル アイスランド、スウェーデン、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの北欧5か国は、この60年間で福祉政策の上に特徴ある北欧型学校教育を作り出してきた。基本的には西側に属しながら東西冷戦の狭間、1952年には北欧評議会を組織するなど、厳しい自然環境の中に生きる現実的な政治体制が模索された。 労働者階級と社会民主主義諸政党の成長はすでに第二次世界大戦前に始まっていた。たとえば、デンマーク社会民主党は、1871年に創設されており、1924年の総選挙において、36.6%を得票して、デンマーク最大の政党となった。穏健左派の政策は、完全雇用、強力な福祉、労働者の権利擁護を掲げ、政府を消極的・受け身的な姿勢から、積極的な政策立案・実行主体へと変えた。国家の役割は、スウェーデン、ノルウェーではより強調されていた。デンマークでは、グルントヴィ思想の影響が根強く、教育の私事性、学校の独