(複数回答である、 また人数の少ない項目は削除した)。 最初に「特攻」を命ぜられた関行男大尉は同盟通信社の小野田政記者に「ぼくは天皇陛下のためとか、 日本帝国のためとかで行くのではない。 KA(海軍の隠語で妻のこと)のために行くのだ。命令とあらばやをえない。日本が敗れたらKAがアメ公に強姦されるかもしれない。 ぼくは彼女を護るために死ぬんだ。最愛の者のために死ぬ。どうだすばらしだろう(森本忠夫『特攻 外道の統率と人間の条件』文芸春秋社、1992年、 123頁)」と答えたというが、 これも天皇陛下、 国家、 民族、 家族という価値の円と同心円の関係、 すなわち大家族主義の延長線上にあるのではないであろうか。 イ 武士道と忠誠心 「ムラ」社会の家長への忠誠は中世の武士社会では主君への忠誠心として広く国民の中に根付き、 また武士社会では忠誠心を発揮するために死を恐れることが最も恥じるべきこ