「ゴネ得」などの失言により、国交相を辞任した中山成彬前国交相が引退の意向を固めたことは、衆院選に向け臨戦態勢に入っている自民党に衝撃を与えた。「舌禍」を引き金に政治生命を失う事態が生じれば、野党はますます攻勢を強め、ドミノ現象が起きかねないからだ。一方、最大派閥・町村派では中山氏が事務総長として「まとめ役」を果たしてきただけに、引退により派内のきしみが広がる可能性もある。 「まあ、あれだけ失言すれば次期衆院選での当選は厳しい。自民党のみんなに迷惑をかけたんだし、賢明な判断じゃないか」 「中山氏引退へ」の一報を聞いた党幹部は冷ややかに言い放った。 自民党が先週極秘に行った世論調査では、失言や舌禍事件を起こした議員は軒並み支持率が落ち込み、苦戦を強いられている。このため党内では、「仕方がない」との見方が大勢だが、来週から補正予算案審議が本格化するため、「野党による『言葉狩り』が始まるのではない