民主党のマニフェストを見ると、政策論ではアベノミクスに勝てないといわざるを得ない。 アベノミクスのキモである金融政策について「『国民生活に十分配慮した柔軟な金融政策』を日本銀行に求めます」としており、現在の緩和政策にブレーキをかける趣旨だと受け取れる。金融政策は雇用政策であるという世界の標準的な考え方を、なぜ左派系政党の民主党が認められないのか理解に苦しむ。 「インフレ目標を法的にも確立するため、雇用の確保と合わせて日銀法を改正する」とすれば、今のアベノミクスをさらに進化させ、民主党らしい政策になったはずだ。そのチャンスをみすみす逃しているのは、国民にとって残念だ。 また、「増え続ける非正規雇用」という批判は、逆にアベノミクスの正当性を裏付けている。経済政策として一番重要なのは、職を作ることだ。アベノミクスで就業者数が100万人程度増えたのは、失業がなくなったわけで、なにより大きい。正規雇