開発対象システムの複雑化、短納期など、開発をめぐる環境は日増しに厳しくなる一方です。そうした現場を改善するために、変更に強く、品質や効率の高い開発を目指して考え出されたアジャイル開発でしたが、実際のプロジェクトで導入されたケースは日本国内においては決して多くありません。今回はアジャイル開発をテーマに、なぜ普及が遅いのか、なぜ導入に反対する者がいるのか、またどうしたら賛成を得られるのかといった現状と課題を考えます。 アジャイル開発に本気で取り組まなくてはならない理由「アジャイル開発」というキーワードは、そろそろ旬を過ぎているかもしれません。1999年ごろから「XP(eXtreme Programming)」をはじめとして、さまざまな開発方法論/プロセスが打ち出され、多くの開発者の心をつかんできました。しかし、日本国内においては、いくつかの事例をちらほら見かけるものの、開発の現場で主流を占める