ここに来て、過激なたばこ増税論があちこちから噴出してきた。 一つのきっかけは、日本財団笹川陽平会長が、2008年3月からブログなどで発信している「1箱約300円という日本のたばこの値段は安すぎる」という主張であると思われる。 笹川氏によれば、1箱1000円にすれば9兆5000億円の税収増が見込めるという。値上げによって消費量が3分の1に減っても3兆円を超える税収増となる。そこで、社会保障の財源として消費税より先に議論すべきだというわけだ。さらに、値段が上がれば禁煙をする人が増えて健康被害が減り、医療費削減にもつながるというのが氏の主張である。 だが、この試算は本当に信用できるのだろうか。 たばこの値上げについては政界からも賛同する声が多い。超党派の「禁煙推進議員連盟」に属する有志議員の活動も再開されたようだ。 しかし、たばこに対する増税は、ここ20年間で頻繁に繰り返されてきた。1