「物の声を、土の声を聴け」のコピーに惹かれて、京都文化博物館で「アートと考古学」展を観てきました。ポスターのフォントがいいですね。 土の中から出土する土器や石器を対象とする考古学、それをアートという切り口でみせる展覧会です。アートというよりは、出土した物を考古学ではない視点で捉えた展覧会だと感じました。想像以上におもしろく、刺激的でした。 会場は大きく4つのパートで構成されています。 最初のパートでは、近世以前の絵巻や絵図を用いて、人々が古い物に対してどう接してきたかを紹介します。展示資料は、物質に対する認識を考えるうえで興味深いものばかりです。 例えば、弥生時代の銅鐸を掘り出すシーンが描かれる「石山寺縁起絵巻」。弥生時代に埋められた物を掘り出して寺の由緒として語る―人間は時代を越えて銅鐸に2つの意味を与えるのです。この銅鐸が現在にも残っており、博物館などに展示されていれば、観覧者に観られ