手術が終わった後の女性患者にわいせつな行為をしたとして、乳腺外科の医師が準強制わいせつの罪に問われた裁判。一審無罪のあと、控訴審では一転有罪(実刑2年)になったものの、最高裁で破棄され、この3月半ばの差し戻し控訴審で無罪の判決が出た。医師の筒井冨美さんは「手術の全身麻酔後にせん妄(幻覚)を見る患者がいる。今後は、医療の専門家の意見が採用されやすくなるような司法改革を望みたい」という――。 【この記事の画像を見る】 ■「乳腺外科医わいせつ疑惑」事件とは 2016年5月、東京都内の病院に勤務する男性外科医のA医師(現在49歳)が、当時30代の女性B子の右胸から乳腺腫瘍を摘出する手術を行なった後、B子から「左胸を舐め回され、乳房をはだけさせて自慰行為をされた」などと訴えられて警察官の取り調べを受けた。 警視庁科学捜査研究所の鑑定ではB子の胸からはA医師のDNA型が検出され、同年8月に逮捕、9月に
