政府は29日、民主党政権の「事業仕分け」により縮減された道徳教科の副教材「心のノート」の配布を復活し、来年度から、全国全ての小中学生に配布する方向で検討に入った。 文部科学省は2012年度補正予算案に約6億円を盛り込む方向で調整している。 道徳教育を巡っては、自民党が衆院選の政権公約で「道徳教育の充実」を掲げ、安倍首相も前回の首相在任時から重視していた。首相は、朝鮮学校に高校授業料無償化を適用しない方針を決定したのに続き、再登板に際し力を入れている教育分野で、民主党政権からの軌道修正に動き出した。 心のノートは、2000年5月の佐賀・西鉄バスジャック事件など少年による重大事件が相次いだことを受けて、道徳教育を充実させるため、心理学者の河合隼雄氏の監修で02年に文科省が作成した。公共心や友情の大切さなどを説く詩やイラストなどが掲載され、小学校低、中、高学年向けと、中学用の4種類がある。文科省