渡米してから13年近くなるのだが、つい最近まで、日本から渡米してきた日本人に会う機会がほとんどなかった。ぼくは高校はニューヨーク市で過ごしたし、大学は西海岸なので、物理的な意味での周囲には、たくさん日本人がいたのだろうが、なかなか知り合うことがなかった。ひょっとしたら英語を覚えたり、アメリカで生活していくことに必死で、日本人と時間を一緒に過ごす精神的な余裕がなかったからかもしれない。 何はともあれ、アメリカにいる日本人を観察していて、気がついたことがある。彼らの価値観は、一世代前に渡米してきた日本人のそれと、大きく異なっていることだ。ざっくり言ってしまえば、20−30年前に渡米してきた日本人は、アンチ日本の方々が多い。ことあるごとに日本とアメリカを比べ、いつも結論は、「これだから日本は...」という批判的なものに収束する。それに比べ、この一年少しで出会った滞米中の日本人は(舌足らずな表現に