難しい話を一般の人にも分かりやすく伝えるにはどうすればいいのか。国立研究開発法人「物質・材料研究機構(NIMS(ニムス))」(茨城・つくば)の広報課題はここにあった。物質・材料科学、つまり"素材"に関する基礎研究などを行っているNIMS。実は日本を支えている重要な研究分野で、主要輸出品目ランキングでも、鉄鋼・プラスチック・有機化合物などの素材が上位に入っている。 例えば2014年に3人の日本人研究者がノーベル物理学賞を受賞した「青色LED」。テレビや携帯電話の液晶画面に欠かせないが、バックライトとして使われるため外からは見えない。このように素材は最終製品の内側に入るため、その魅力を発信するのが難しい。広報室 室長の小林隆司氏は「新素材を開発する企業がCMに動物のキャラクターを起用するなど、大手企業であってもイメージ戦略が中心となってしまうのが現実です」と話す。 「広報のビジュアル化戦略」と