「宗教至上主義」を超えて――日本の中東理解のあり方を問う 『「アラブの心臓」に何が起きているのか』編者、青山弘之氏インタビュー 情報 #新刊インタビュー#アラブの心臓#現代中東 「アラブの春」、シリア内戦、イスラーム国の台頭……。数え上げればきりがないほどの事件が、近年、中東では起きている。しかし、日本での中東に関する報道を見れば、「イスラーム過激派」、「宗派対立」といった言葉がマジックワードのように使われ、中東を「理解不能なものとして理解した気になる」ことが当たり前になっているようだ。 こうした現状に一石を投じる試みが、昨年12月に出版された『「アラブの心臓」に何が起きているのか 現代中東の実像』(岩波書店)だ。編者の青山弘之氏に、現代中東政治の読み解き方、そして日本における中東理解のあり方について、インタビューを行った。(聞き手・構成 / 向山直佑) ――タイトルに使われている「アラブ