二十一世紀の若者論ーあいまいな不安を生きる この文書は都留文科大学でお世話になった、宮台門下生の非常勤講師に送った文章である。 連絡手段がなく、PDFをTwitterで送ることができず、このような形で公表するのをお許しいただきたい。 「二十一世紀の若者論」は、「若者批判」に対して、それぞれ論者が「能力主義」と「自己責任」という切り口から見直し、若者論の全体の見通し、特に社会学の見通しを示したものである。第9章の中で、2000年代の「がんばりなさい」と叱咤激励する若者論と対極に古市憲寿の「あきらめさせろ」という現状維持の若者論がはびこる中、その両極の若者論ではなく、グランドセオリーによる現状を前進していくための若者論を本作は模索している。 すべての章のレビューは難しく、都留文科大学の講義内で取り扱っている「第1章」と「第6章」を中心にしてレビューしてみたい。 第1章「宮台真司という現象」で