部活指導のあり方が問題となっている。長すぎる練習時間や少なすぎる休養日など、課題を是正するため、スポーツ庁は総合的なガイドラインづくりに取り組み始めた。具体的に先生はどのような状況なのか。部活動の問題を研究してきた名古屋大学の内田良・准教授に寄稿してもらった。 試合では「早く負けてほしい」 部活動指導の負担を嘆く教員の声のなかで、私がもっとも衝撃だったのは、試合に「早く負けてほしい」という発言である。大会で一生懸命声をあげている指導者が、心の奥では「早く負けてくれ。休みたいんだ」などと思っていようとは……。 私にとってこれが衝撃だったのは、まさにそうした考え方が学校文化のタブーだからである。率直に考えれば、教育者としての素質を疑われるかもしれない。 私の目から見ればその先生は、本当に生徒思いでユーモアもあって、包容力がある、素敵な先生である。逆に言えば、それほどに生徒思いの先生でさえ、大会