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  • 古川知宏② 押井守の「演出論」を学んだ『機動警察パトレイバー the Movie』 | Febri

    『少女☆歌劇 レヴュースタァライト』でアニメファンの度肝を抜いた古川知宏。そのクリエイティブの源泉を探るインタビューの第2回では、業界屈指のファンを自負し、多大な影響を受けているという押井守監督について。 ――2作目は『機動警察パトレイバー the Movie』を選んでいますが、これは実質「押井守作品全部」という意味だと。 古川 僕は幾原(邦彦)さんの直弟子だとネットで書かれているし、僕自身もそれを認めてはいます。それから庵野(秀明)さんが好きだってこともインタビューで話していますが、でも、じつはそれよりも先にめちゃくちゃ押井さんの洗礼を受けているので、そのことをこの機会に話しておきたかったんです。『聖闘士星矢』の次にハマったアニメが『機動警察パトレイバー』で、TVシリーズだけじゃなくOVAや映画もひっくるめて追いかけるなかで、明らかに違う濃密さの作品がある。その理由を考えていて「ああ、押

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    asakura-t 2022/05/02
    幾原監督の話が興味深い/これはめっちゃ大事だよね>「アニメのオリジナル企画を作るときには『お客さんの楽しみ方をどう設計するか』をまず考えるべき」
  • 古川知宏① 作家の「様式美」が詰まった『聖闘士星矢 真紅の少年伝説』 | Febri

    少女☆歌劇 レヴュースタァライトでアニメファンに鮮烈な映像体験をもたらした古川知宏。そのクリエイティブの源泉を探るインタビューの初回は、車田正美原作の大ヒットアニメの劇場版に感じた、監督の「様式美」を語る。 ――1作目は『聖闘士星矢 真紅の少年伝説(以下、真紅の少年伝説)』。これは監督にとってどんな意味合いの作品なんですか? 古川 人生で最初にハマったアニメです。幼稚園か小学1年生のときに『聖闘士星矢』のTVアニメが始まって、原作より先にそっちに触れたんですよ。で、激ハマりしていくなかで『真紅の少年伝説』に出会った。たぶん、映画館じゃなく、母親が借りてきてくれたレンタルビデオで見たんだと思います。おそらく劇場版を全部借りてくれたんじゃないかな。でも『聖闘士星矢 神々の熱き戦い』と『真紅の少年伝説』の2作の印象がとにかく強かったんですよね。そのせいで大人になるまで『星矢』の劇場版は2しかな

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    asakura-t 2022/05/02
  • Febri RECOMMEND 身近になった「未来の宇宙」を軽やかに描く『地球外少年少女』 | Febri

    まだ目新しかったAR(拡張現実)技術を大胆に作中に採り入れ、話題を呼んだ『電脳コイル』。そんな意欲作を手がけた磯光雄監督の新作が、現在2週間限定上映&全世界配信中。「民間による宇宙開発」が進んだ2045年の近未来を舞台に、少年少女たちが未曾有の危機に立ち向かう。ユニークな未来描写と骨太なストーリー展開に注目の一作だ。 イーロン・マスクやジェフ・ベゾスが民間による宇宙船を打ち上げるなど、近年、注目を集める「宇宙の商業利用」。その影響もあるのだろうか、2010年代に入ってから、それまでのSF映画とは毛色の異なる「宇宙映画」がいくつも公開されるようになってきた。火星に取り残された宇宙飛行士が孤軍奮闘するマット・デイモン主演の『オデッセイ』、宇宙での船外活動中にデブリに襲われた宇宙飛行士が、地球への帰還を目指す『ゼロ・グラヴィティ』あたりが代表格だろうか。いずれも、宇宙飛行が身近になった世界を舞台

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    asakura-t 2022/02/28
  • 音響監督・清水洋史が語るアニメ『地球外少年少女』の“音”と“演技”② | Febri

    ――続いて、音響効果についても聞かせてください。作品の時代設定は少し先の未来になりますが、リアリティのバランスはどう考えていたのでしょうか? 清水 たとえば、舞台となる宇宙ステーションは擬似的に重力を生み出して生活ができる場所になっているのですが、それは今あるテクノロジーを土台に磯さんが想像しているわけですよね。広いソーラーパネルを、折り紙の折り方を応用してコンパクトに畳む技術とかが作中には出てきます。一方で、ダッキーなどのドローンAIはまだ実現されていない未来ですが、確実にこれも現実にあるものとつながっています。そこは効果の大塚(智子)さんが非常にご苦労された部分だと思いますが、いわゆる完全に空想の音は作品全体であまりないはずです。そういう意味でいうと、未来、SFという括りの中にあっても、じつは今作の基調はリアリズムだと思います。だからこそというか、完成品を見てあらためて感じたのですが、

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    asakura-t 2022/02/28
  • 音響監督・清水洋史が語るアニメ『地球外少年少女』の“音”と“演技”① | Febri

    ――磯監督とお仕事をするのは今回が初めてですか? 清水 そうですね。顔合わせはリモートだったんですよ。磯さんはリラックスした感じで、非常に温和な印象を最初は持ちました。……が、そこから怒涛の打ち合わせの日々が始まって、印象が一気に変わりましたね(笑)。 ――今回、音楽や音響について、もっとも大変だった作業は何になりますか。 清水 完成形が磯さんの頭の中にしかないので、それを探り当てる作業ですね。原作ものの場合は、監督を含め、スタッフはみんな作品そのものから等距離にいるんですよ。だから全員がアイデアを持ち寄りつつ、音楽であれば作曲家の方が読み取った解釈を尊重して制作していくようなかたちも多いんです。 ――その作曲家の個性を、曲に込める場合もありますね。 清水 ええ。一方、この作品はその対極にあるんです。完全オリジナルの作品ですから磯さんが実現したいイメージにどう近づけるかが勝負でした。たとえ

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    asakura-t 2022/02/28
  • 野村和也③ 「青春」を過ごした『電脳コイル』 | Febri

    『ジョーカー・ゲーム』『風が強く吹いている』の野村和也監督のルーツを掘り下げるインタビュー連載。最終回はキャリアのなかで大きな位置を占めるアニメをセレクト。仲間との出会い。そして、監督の姿に学んだこととは? ――3目は、第1回でも話題に上がった、野村さんがスタッフとして参加している『電脳コイル』です。あらためて、この作品を選んだ理由は? 野村 理由としては、先ほどもお話しした通り、『攻殻機動隊』のムックで見て「超うまい!」と思っていた磯光雄さんと仕事ができた……まあ、正確にいえば「運よく現場に入り込めた」みたいな感じですけど(笑)、そういう意味で選びました。当時の僕はSTUDIO 4℃でアニメーターとして仕事はしていましたけど、演出家としてはほぼ経験がない状態だったんです。『魔法少女隊アルス THE ADVENTURE』というOVAで1~2、絵コンテと演出を担当したくらい。磯さんにも

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    asakura-t 2022/02/28
  • 『地球外少年少女』 原作・監督・脚本 磯光雄×プロデューサー 岩瀬智彦 対談② | Febri

    ARが日常となった未来を描いたTVアニメ『電脳コイル』以来、約15年ぶりとなる磯光雄監督作品『地球外少年少女』がいよいよ上映開始。インタビューの第2回では、磯監督と岩瀬智彦プロデューサーのおふたりに、作に散りばめられた先端技術や「AI」について語ってもらった。これを読んで後編を心待ちにしてほしい。 ――画面のすみずみに先端技術が詰まっていて、『電脳コイル』以上に知的好奇心を刺激されました。作の科学描写についてはどのように考えましたか? 磯 私が最初にイメージしたのは「軽工業の宇宙」です。今までの宇宙は鋼鉄で出来た「重工業の宇宙」ですよね。よくある重い隔壁に代表されるような20世紀的な宇宙からの脱却を目指しました。 ――ドローンや人型ロボットなどの見慣れたものもあれば、手をスマホ画面にするデバイス(スマート)など、多彩なガジェットも登場しますね。 磯 『電脳コイル』ではメガネ型のウェアラ

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    asakura-t 2022/02/02
  • 『地球外少年少女』 原作・監督・脚本 磯光雄×プロデューサー 岩瀬智彦 対談① | Febri

    ARが日常となった未来を描いたTVアニメ『電脳コイル』以来、約15年ぶりとなる磯光雄監督作品『地球外少年少女』がいよいよ1/28に上映スタート! ここでは磯監督と岩瀬智彦プロデューサーのおふたりに、作の制作秘話はもちろんのこと、テーマである「宇宙とAI」についてもたっぷりインタビューした。 ――おふたりの出会いは『電脳コイル』からですよね。 岩瀬 そうです。『電脳コイル』ではアシスタントプロデューサーという立場で参加させてもらったんですけど、僕自身はアニメ制作に関わるのはそのときが初めてでした。右も左もわからない状態で磯監督にご挨拶させていただいたことを今でもおぼえています。 磯 岩瀬さんは当時ちょっとチャラい雰囲気があったんですよ。だから、そのときは「どうせすぐに辞めるだろう」と決めつけていましたね(笑)。まさか15年以上の付き合いになるとは。 ――磯さんの監督作品としては『電脳コイル

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    asakura-t 2022/02/02
  • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」③ | Febri

    福島県にあるレジャー施設・スパリゾートハワイアンズの新人フラガールチームの友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第3回では、物語のキーとなるアイドル要素が盛り込まれた経緯と、これまでに手がけてきた作品との違いについて語ってもらった。 ――作では日羽(ひわ)がアイドル「いついろディライト!!」のステージを見て元気をもらい、後半の展開につながっていきますが、このステージはまるで別のアイドルアニメが始まったかのようでした。 水島 アイドルに行き着いたのは半ば偶然でした。制作途中、映画として飛躍させるために何か変化を描きたくて、そこに収まるピースをずっと探していたんです。主人公の日羽が「こういう新しいフラをやろうよ」とみんなに提案する姿を見せることで彼女の成長を描こうと思っていたのですが

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    asakura-t 2021/12/09
    『アイカツ!』以外にも何かあったのかな?>「別の企画で相談を受けたときは、とにかく前向きにアイデアを出していました。」
  • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」② | Febri

    福島県にあるレジャー施設・スパリゾートハワイアンズの新人フラガールの友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第2回は、初めてタッグを組んだ吉田玲子の脚の魅力を解き明かすとともに、作品に現代らしさを取り入れる秘訣を聞いた。 ――『フラ・フラダンス』のスタッフにはキャラクターデザインのやぐちひろこさんや音楽チームなど、水島さんとのお仕事で信頼の厚い方々がそろった一方で、脚の吉田玲子さんとは初タッグでした。 水島 吉田さんの脚は「優しい」んですよね。これは吉田さん特有のものだと思います。今まで組んできた脚家は「さあ、お前はこれをどう演出する?」と斬りかかってくるような感じなんですよ(笑)。そういう鍔迫り合いをしながら押し返していく仕事も、それはそれでやり甲斐があるけれど、吉田さんの

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    asakura-t 2021/12/09
  • 映画『フラ・フラダンス』 水島精二が語る「総監督の“お仕事”」① | Febri

    福島県にあるテーマパーク・スパリゾートハワイアンズの新人フラガール達の友情と成長を描くオリジナルアニメ映画『フラ・フラダンス』。念願の“お仕事青春もの”を作りあげた水島精二総監督の“お仕事”はどのようなものだったのか。第1回では、作品を手がけることになったときの心境と、舞台となったスパリゾートハワイアンズの魅力を語ってもらった。 ――『フラ・フラダンス』は「ずっとおうえんプロジェクト2011+10…」(東日大震災から10年の節目となる2021年に、岩手県、宮城県、福島県をそれぞれ舞台とするアニメ作品を制作し、地域の魅力を伝えるプロジェクト)のひとつとして企画されたそうですが、たずさわることになったとき、どのように受け止めましたか? 水島 2011年の震災は同じ日に暮らす者として他人事ではありませんでしたから、非常に心を痛めましたし、我々エンターテインメント業界の人間に何ができるのだろう

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    asakura-t 2021/12/09
  • プロデューサーに聞く『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の世界② | Febri

    ――今回の『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(以下、EUREKA)』では、アイリスという少女が登場して、映画の前半は彼女とエウレカの逃亡劇が描かれることになります。 渡辺 これは皆さんも同じように感じられたと思うんですけど、「京田監督は毎回、変わったことを考えるなあ」と(笑)。ただ、その一方でこういう展開になることで、お客さんがスッと入ってこられる映画になるかもしれない、とも思いました。というのも、前回も少しお話ししましたけど、エウレカがひとりでお話を引っ張っていこうとすると、どんどん展開がつらくなっていくんですね。そこにアイリスを登場させることで、ある意味、師匠と弟子という形で物語が進められるな、と。そういう安心感はありました。アイリスと一緒に行動する姿を描くことで、エウレカ自身の成長も描けるだろうな、と。 ――ロードムービー風なところも面白いですよね。 渡辺 

    プロデューサーに聞く『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の世界② | Febri
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    asakura-t 2021/11/30
  • プロデューサーに聞く『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』の世界① | Febri

    いよいよ公開となる『交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』シリーズの完結編『EUREKA』。ヒロイン・エウレカを主人公に迎えた作は、どんな物語を伝えようとしているのか。プロデューサーとして3部作の制作に関わってきた渡辺マコト氏に、その舞台裏を聞いた。 ――いよいよ公開が目前に迫った『EUREKA/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション(以下、EUREKA)』。渡辺さんは最初のTVシリーズにも、制作デスクとして参加していますね。 渡辺 2005年放送開始だから、もう16年前ですね。今回の『EUREKA』で『ハイエボリューション』シリーズは完結を迎えますし、だからこそいいものを作らねばという気持ちもあります。ただ、僕にとっては2作目(『ANEMONE/交響詩篇エウレカセブン ハイエボリューション』)が大きかったんですよ。というのも2作目の段階で『EUREKA』は、これまでの『エ

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    asakura-t 2021/11/29
  • 映画『神在月のこども』スタッフが語る波乱万丈の制作秘話② | Febri

    ――白井監督は『神在月のこども』をどのような作品にしようと考えたのでしょうか? 白井 作品のモチーフとしては、「八百万(やおよろず)の神」という日独特の神様に対する考え方を軸としています。東京から出雲への道中をたどりながら、神様に捧げるご馳走を集めていくお話のなかで、主人公であるカンナを中心としたドラマを物語の核にしたいと考えていました。さまざま葛藤とともに走ることに対して抵抗感を持っているカンナの心が、神使のウサギのシロや鬼の少年・夜叉との出会いを通じて、少しずつ変化していきます。その関係性の変化やカンナの心の成長を、ていねいに描くことを念頭に置きながら制作に臨みました。 ――カンナの心の在り方によって、走るフォームが変わっていくのが印象的でした。 白井 カンナの走る姿は、制作でいちばん大変な部分でした。セリフで説明せずとも、動きひとつで内面が変わったことが伝わるように作らなければなり

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    asakura-t 2021/10/11
  • 映画『神在月のこども』スタッフが語る波乱万丈の制作秘話① | Febri

    現在公開中のオリジナル劇場映画『神在月のこども』では、八百万の神が集う「神在月(かみありづき)」にあわせて、小学生のカンナが神に供えるご馳走を集めながら出雲への旅をする、という物語が描かれる。ここでは、監督の白井孝奈とプロダクションマネージャーの里見哲朗に、作品同様に波乱万丈な制作過程について聞いた。 ――『神在月のこども』の企画の成り立ちと、白井さんが監督に抜擢された理由について教えてください。 白井 『神在月のこども』の企画は、私が所属しているcretica universalという会社が中心となって立ち上げたものなのですが、弊社はこれまで映画の広報宣伝を行っていました。広告制作に留まらず、劇場や街とコミュニケーションをとりながら作品を盛り上げていく、という包括的な宣伝を手がけていたんです。そこから、自分たちの思いを込めたオリジナルアニメ映画を立ち上げて、映画制作だけでなく広告展開も含

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    asakura-t 2021/10/11
    なんというかこう、アレな作品だったけど、アレな理由はちゃんとあったんだな。
  • 異色アニメ『オッドタクシー』はこうして作られた メインスタッフ座談会③ | Febri

    ――作品全体の話に戻ると、編の他に『Quick Japan』で前日譚が書き下ろされていたり、YouTubeで各話の間を描くオーディオドラマが配信されていたりします。こういったメディアミックスの展開は当初からあったのでしょうか? 此元 いや、じつはなかったんですよ(笑)。 平賀 脚を上げてもらったあとに、前代未聞の量の書き下ろしを此元さんにお願いしています(笑)。作品の評判が良くて「ウチでも何かできないか?」とメディアからお声がけが増えたのもあり、サブコンテンツを充実させたいと。そうしたなかで、編に入り切らなかったエピソードをプラスアルファする形で書き下ろしていただいています。それがオリジナル作品の良さだと思っていますが、数が増えすぎて、此元さんへの負担が予想以上に膨らんでいるという。 此元 そうですね。一瞬、ほんの一瞬ですけど『オッドタクシー』を嫌いになりかけました(笑)。 平賀 す

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    asakura-t 2021/07/29
  • 異色アニメ『オッドタクシー』はこうして作られた メインスタッフ座談会② | Febri

    ――SNSやライブ配信、そこにまつわる炎上など、現代の若者像がそのツールとともに描写されています。そのあたりは意識的に加えたものだったのでしょうか? 木下 樺沢みたいな迷惑系ユーチューバーの存在や出会い系アプリといった今どきのモチーフは、当初の構想にはありませんでした。これも此元さんから出てきたアイデアです。 此元 現代社会の抱える闇、というコンセプトをリアルで描くうえでは欠かせない要素だと思いました。あと群像劇をまとめるにあたって、すごく使いやすいという理由もあります。ただ、この作品の脚を書き始めたのが2~3年前だったので、放送時にはツール的に古くなってしまう可能性もありました。そうならないように、時代に左右されない普遍的な見せ方にすることには気を遣いましたね。 平賀 有名になりたい、名声を得たいという誰もが持つ承認欲求を、ユーチューバーという形で表現するのは、記号としても非常にわかり

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    asakura-t 2021/07/29
  • 異色アニメ『オッドタクシー』はこうして作られた メインスタッフ座談会① | Febri

    ――SNSでの考察が盛り上がった『オッドタクシー』ですが、当初からこうしたミステリー/サスペンスもののイメージはあったのでしょうか? 木下 先に決まっていたのは動物キャラを使うことでした。僕が出した最初の企画は、大学生のほのぼのした日常を描く内容だったんです。そこから平賀さんと話していくなかで、それだとありがちだし、もっとパンチが効いた物語にしたいという意見が出て、生々しい人間模様を描く形に軌道修正していきました。 平賀 なので、最初からミステリーと決まっていたわけではなく、動物のほんわかしたデザインから受ける印象からは意外性やギャップが出るような、リアルでちょっとヒリヒリした作品にしたいと考えていました。 ――そのなかで「現代社会の闇」みたいな物語を描く発想に行き着いたのでしょうか? 木下 発端としては、冴えない主人公を描きたいと考えていました。ジャック・ニコルソンが主演の『恋愛小説家』

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    asakura-t 2021/07/29
    そういやオーディオドラマはまだ聞いてないや。あとで聞こう。
  • イシグロキョウヘイ③アニメの最大の強みを知った『サマーウォーズ』 | Febri

    インタビュー連載の最終回は、細田守監督作品の大ヒット作『サマーウォーズ』。アニメで人間ドラマを描きたいと考えていたイシグロにとって、『サマーウォーズ』における演出や人間描写はひとつの答えになり、その後の大きな指針にもなっていると語る。 ――3目は『サマーウォーズ』が挙がりました。2009年の公開時にはアニメの演出家としてデビューしていたのでしょうか? イシグロ 制作進行から演出になりたてくらいのタイミングですね。演出の仕事をやっていたからこそ、『サマーウォーズ』が僕のなかでバイブルになったんですよ。 ――その理由を教えてください。 イシグロ 僕はサンライズ出身なのですが、サンライズといえばメカものじゃないですか。でも、僕はどちらかといえば、キャラクターやその感情を表現するような青春ものや恋愛ものが好きで、周囲にも「人間ドラマがやりたい」と伝えていました。ただ、会社のカラー的にもそれは難し

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    asakura-t 2021/07/26
  • イシグロキョウヘイ②クリエイティビティを刺激された『千年女優』 | Febri

    イシグロキョウヘイに聞く「人生を変えた3のアニメ」。インタビュー連載の第2回で取り上げるのは、今敏監督の『千年女優』。現在と過去、虚構と現実が入り交じる世界観の構築に、今監督の圧倒的なイマジネーションと、それを実現するスタッフワークのすごさを感じたそうだ。 ――2目は、今敏監督の『千年女優』です。2001年の作品ですが、そのときはアニメ業界にもう入っていたのでしょうか? イシグロ 公開当時はまだ大学生ですね。実質2浪、24歳で大学を卒業したのですが、『千年女優』を見たときは単なるいちアニメファンでした。そのときは音楽活動に力を入れていて。 ――今監督の作品はそれまでも見ていたのでしょうか? イシグロ 『パーフェクトブルー』を高校生のときに見て、それからファンになりました。『千年女優』は『パーフェクトブルー』の今さんと、音楽を担当している平沢進さんのタッグに興味があって、実際の映像も『新

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    asakura-t 2021/07/26