セヴンティーン 大塚英志 〈1〉 角川歴彦(かどかわつぐひこ)は昭和18年生まれである。兄の春樹(はるき)は昭和17年生まれである。この生年を一つの問題としてみたい。兄の方はいうなれば破滅型、弟の方はひどく堅実なイメージがあるが、しかし、ぼくには弟の方に破滅型の素養があると感じる時がある。例によって瑣末な事柄を行ったり来たりする文章だが、物好きな方はお付き合い願いたい。 「世代」について歴彦が自分のことを語る時、しばしば戦後世代として語るのが常だ。「民主主義の子ども」と自らを形容したことがある。それどころか「戦争を知らない子どもたち」と一度、自らを形容したことさえあるのだ。 そこにぼくはいつも微妙な違和を感じた。 「戦争を知らない子供たち」の作詞者の北山修(きたやまおさむ)は昭和21年生まれ。団塊世代よりは少し早いが、ぎりぎり戦後生まれである。この歌で自己規定するのは団塊世代だとぼくなど
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