「今夜は僕が皿を洗わせていただこうと思います」 歯医者から帰ると、先に冷凍のスパゲティを食べ終わっていた息子が、さらに「まだ足りないんだけどなんかない?」と言うので残ってたカレーでドリアにして出したのを食べながら言った。 「あら、うれし」 「さっきあまりにも腹が空いてたんで、母さんが買ってた堅焼きポテトと、ポン菓子、食べちゃった。楽しみにしてる奴だろ。お詫びで洗わせていただきます。夕飯終わったら、だらだらしてくれ」 あらま。それじゃ、今夜はできるだけお皿を少ない献立にしよう。 特売で買っておいたオーストラリア牛があるから牛丼にするかな。 「じゃ、おれ、二階でちょっと横になるから」 「はいはい。じゃ、夕飯6時半で」 この麗しき会話を最後に息子は今、ベッドで深い深い眠りの中にいる。 今夜は夫が帰ってくる。 二人で一緒に遅い夕飯になるだろう。 息子の丼に、ご飯を盛り、たっぷりの牛肉とタマネギをの