「ひとりでも外国人の生徒がいれば英語で行う。ここ数年、大学院の講義はそうなっています」 大阪大学大学院生命機能研究科の大澤五住(いずみ)教授(54)は、何でもないことのように言った。数十人の日本人に外国人一人でも同じだという。 文化による差異が少ない理系学問の世界では、昔から英語が浸透している。トップレベルの科学者は、英国の「ネイチャー」と米国の「サイエンス」への論文掲載を目指す。どの雑誌に載り、どれだけ引用されたかで論文の評価が決まる世界だ。英語の読み書き能力は共通の土俵に登る最低限の条件だが、聞いたり話したりする必要性がますます高くなっている。 大澤教授が所属する日本神経科学学会でも、参加者の大部分が英語で発表を行う。「英語の講義は学生には大変だと思うが、それについていけなければだめだと覚悟させることも必要なのです」 阪大の留学生は、10年で500人以上増え、平成21年には1455人に