「ユリイカ」6月号の、先日亡くなった山口昌男特集をパラパラと。 山本貴光による「山口昌男主要著作目録+重要著作解題」に『本の神話学』について「山口ワールドへの(……)入門に最適の一冊」とあるが、僕が初めて読んだ山口の本もこれだったような気がする。 中沢新一との対談で高山宏はこう言っている。 「高山 (……)これは半分皮肉にも聞こえるけど、実際彼はそういう啓蒙のレベルをものすごく意識していた。たとえば『本の神話学』の最後の文献目録なんて読書案内以外のなにものでもないんだから」(p.63)。 こういった意図を持った文献目録のある本というのは僕も大好きで、これを手がかりにいろいろと本を読み進めていくのは楽しい。とはいえあまりにも充実していると、僕のような怠惰な読者は途中で「もうこのへんでいいか」ということになりがちなのだけれど。 それにしても『本の神話学』(やその他の書評などが収録されている本)