鹿児島大学は28日、大学院医歯学総合研究科の小戝(こさい)健一郎教授(47)=遺伝子治療・再生医学分野=らのグループが、正常細胞を傷つけず、全身のがん細胞のみを破壊する治療薬の技術開発に成功したと発表した。薬が実用化されれば、末期がんや進行がん患者らの症状改善が期待できるという。薬は米国の企業が試作中で、2〜3年内に臨床試験を行い、その後実用化される見込み。 小戝教授らは、ほとんどのがん細胞で大量に発生する遺伝子「サバイビン」に着目。開発した技術はウイルスを活用しており、がん細胞のサバイビンにウイルスが反応し、増殖しながら細胞を破壊する。正常細胞では増殖しない。マウス実験で効果が確認された。 小戝教授らは、ウイルスの遺伝子配列を細かくパーツ化し自由に組み合わせる手法を開発。これまで研究者の手作業だったウイルス作製が、システム化された手順に従えば多種多様にできるようになり、新たな治療法に