(本文は、『東洋経済 金融ビジネス』2001年10月号へ寄稿した拙稿「パッシブ運用だけでは『市場』は非効率化する」に加筆、修正したものである) 金融工学の陥穽 戻 る <要約> 「金融工学」が、一種のブームになっているが、このブームには、注意が必要だ。金融理論によれば、インデックス運用が最も効率的な運用ということになるが、それには前提がある。それは、個別銘柄がアナリストによって十分にリサーチされるということだ。そのコストを誰が払うかという問題を別にしても、やみくもにインデックス運用を崇拝することは、結果として市場の非効率化を招くことになる。地道なアナリスト活動を再評価するとともに、アナリストが公平な企業評価を行えるような環境整備を計るべきだ。 <目次> 1 金融工学ブーム 2 金融工学の発展 3 パッシブ運用 4 金融工学の問題点 5 問題解決の方向 6 金融工学の行方
不確実性の高い事業環境下において、経営やプロジェクトが持っている意思決定の選択権や自由度のこと。意思決定者の将来における意思決定や企業の行動変更によって創出されるキャッシュフローを原資産としたオプションである。 金融工学で使われるオプション価格付け理論を実物資産やプロジェクトの価値評価に適用したもので、実物資産の売却・買収、投資機会における投資の実施・延期・中止といった将来の意思決定(可能性や選択権)、および市場参入・成長の機会、ビジネス環境に対応する企業能力、経営者の判断の多様性や戦略的配慮などが含まれる。 こうした選択肢の存在や自由度を経済的な価値と見なし、将来の期待利益とリスクを加味して数値化することで、事業評価やリスクへッジ、取引条件の設定などに活用する。リアルオプションの考え方に基づく事業価値・投資評価をリアルオプション・アプローチあるいはリアルオプション価値(ROV)方法という
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